警視庁本部=東京都千代田区 マッチングアプリを悪用したぼったくり事件で、視覚障害者の男性に高額な飲食代を請求したなどとして、警視庁保安課は31日までに、東京都ぼったくり防止条例違反容疑などで、アルバイト佐古壮汰容疑者(22)ら男女3人を再逮捕した。いずれも容疑を認めている。
佐古容疑者らのグループは、アプリで知り合った男性を飲食店に誘い、大量の酒を注文させて高額な代金を請求するという手口を繰り返していた。昨年9月〜今年5月に57件、計約8500万円の被害が確認されており、同課が実態解明を進めている。
再逮捕容疑は2月初旬、視覚障害のある20代男性をアプリで東京都渋谷区のバーに誘い出し、飲食代名目で不当に40万円を請求したなどの疑い。
佐古容疑者らは、秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」で「vs視覚障害者」と題したグループチャットを作成し、メンバー同士で連絡を取り合っていた。チャット内では待ち合わせに訪れた男性を「白杖(はくじょう)全然使ってない」「普通に歩いてた」などとやゆしていたという。
同課は、別の男性からも不当に飲食代金を取り立てたとして、同条例違反容疑などで団体職員永井博美容疑者(49)=群馬県沼田市久屋原町=ら男女4人も逮捕するなどした。永井容疑者はグループメンバーの母親で、「息子から誘われた。止める立場にありながら、お金が欲しくて手伝っていた」などと供述。マッチングアプリで若い女に成り済まし、男性を誘い出すためにメッセージのやりとりをしていた。