
近年増加しつつあるマダニの被害。マダニは発熱や嘔吐、下痢などの消化器症状を伴い、致死率約10〜30%にもなる重症熱性血小板減少症候群を媒介する、日常に潜む脅威だ。
今、SNSではそんなマダニ被害を啓蒙する厚生労働省のポスターが大きな注目を集めている。
「これを考えた厚生労働省の中の人は天才じゃないかw」と件のポスターを紹介したのは救急医の白石淳さん(@shiraishia_md)。
昭和30年代〜40年代風の映画を模したこのポスター。「山ありダニあり」というタイトルと言い、薄着の老人のイラストと言い、出演者の「ダニ」「田畑薄着」「草刈肌子」といったネーミングと言い、センスが秀逸だ。白石さんにお話を聞いた。
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ーーこのポスターを見かけた場所は?
白石:7月31日に妙高山登山口(新潟県妙高市)の入口のひとつ、燕温泉で見つけたものです。2018年に厚生労働省が出したものでしたが、自分は初めて見て、そして感心しました。目を引くコピー、昭和の邦画ポスターを思わせユーモアあふれコンセプトが徹底したデザイン。それでありながら、ダニ咬傷を予防するために必要な情報はきちんと書いてある。クスッとした後に「待てよこれはきちんとしているな」と。そういう感心でした。
ーー投稿に大きな反響がありました。
白石:自分は救急医で、実際にダニ咬傷をよく診療しますので、少しでも反響があって予防法が少しでも広がるのがうれしいですね。
◇ ◇
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SNSユーザー達から
「『麻しんがゼロ(マジンガーゼット)』ってポスター見て腰砕けになったことがある。たじゃれ好きがいるのだろう。」
「誰も触れてないけど、左上の『こちらが深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いているのだ』みたいな文章もセンスある」
「蚊もなく 孵化もなく って書いてたポスター、今でも復活して欲しいと思う」
など数々のコメントが寄せられた今回の投稿。
厚生労働省ホームページの「ダニ媒介感染症」ではこの他にもさまざまな啓蒙ポスターが公開されている。ご興味ある方はぜひご覧いただき、ダニ被害を予防するための知識を得ていただきたい。
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(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)