限定公開( 6 )
2Dシューティングゲーム「グラディウス」が、2025年にシリーズ40周年を迎えました。そんな記念すべきタイミングで、1985年〜1996年にかけてアーケードでリリースされた「グラディウス」および「沙羅曼蛇(サラマンダ)」のナンバリング作品を収録したオムニバスソフト「グラディウス オリジン コレクション」がPS5、Switch、Steam向けに発売されました。
本作はゲームだけではなくギャラリーやBGM集も充実。さらに新作として「沙羅曼蛇III」が収録されているのも目玉の1つになっています。筆者は「昔懐かしいゲームの新作がおまけについたゲーム集」ぐらいのノリで手を出し、そのマニアックさに圧倒されました。今回はこちらのソフトを紹介していきます。
まず、グラディウスと聞いて大喜びするのはある程度年齢の行ったゲーマーではないでしょうか。なんせ収録されている最新作の「沙羅曼蛇2」ですら29年前の作品。当時小学生だったとしても今は40歳前後です。
本作は各ソフトに日本版・海外版など複数のバージョンを収録しているのですが、自分はそのバージョン違いをプレイして「これこれ!」と言えるほどの知識はなく、「グラディウスIIIのAMショーバージョンを収録!」と言われても「それはどれくらいすごいのでしょうか……」となってしまう始末。そんなレベルの人間が「マニアックさが売り」のこのソフトをなぜ購入したのか。まずはそこについてお話しする必要があります。
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振り返ると、グラディウスシリーズそのものにはそこまで思い入れはなかったりします。「グラディウス」はファミリーコンピュータ版が初プレイで、ゲームセンターで遊んだのはだいぶ後のことです。
「2」に至ってはほとんどプレイしておらず、3はスーパーファミコン版をそれなりにやり込んだ程度でした。いずれもゲームセンターではあまり遊んでいません。
一方、続編の「沙羅曼蛇」はめちゃめちゃゲーセンでやり込みました。これには理由がありまして、ある年に何を考えたのか、親が夏休み中に引っ越しを決行したのです。そこで幼い筆者は、友達も誰もいない住宅街の中で夏休みを過ごすという、とてもつらい環境に放り込まれました。ちょうどそのころにリリースされたのが「沙羅曼蛇」だったのです。
ほかに遊ぶあてもない自分はひたすらゲーセンに通ったのを覚えています。そんなわけで妙に思い入れがあるゲームなのですが、とはいえ昔からゲームがうまかったわけでもなく、1コインでゲームオーバーせず延々暇をつぶすというわけにもいきませんでした。
そうした思い出を振り返りたいだけなら、単品購入が可能なアーケードアーカイブスもすでに存在するのですが、今回は英語版や、その英語版をアレンジした「LIFE FORCE」も収録しており、ついでに新作の「沙羅曼蛇III」まで収録しており、これは買うしかないとなったわけです。「沙羅曼蛇2」はあまりプレイした記憶がないのですが、むしろこれを機会に改めてやってみるかと思った次第。なお、プレイはPS5版で行っております。
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一通りプレイしてみたのですが、まずは各旧作について。これは「沙羅曼蛇」に限らず「当たり判定が小さくなる」モードや無敵モードがあり、いろいろな難易度でプレイできます。イージーは「当たり判定が小さくなる」モードであり、「当たり判定を常時表示する設定」と組み合わせると過去になかった楽しみ方ができました。まさかこの年になり「ここって当たり判定なかったから抜けられるんだ!」と気付かされるとは。
無敵モードはその名の通りなのですが「何回ミスしたか」のカウントが表示されるようになり、この数字をなるべく押さえるようにプレイするなど、もともとのゲームにはない遊び方ができたりします。もちろん、難しいゲームに挑戦するのではなく思い出に浸りたい自分のようなゲーマーにも大変優しい仕様だとは思います。
そして、新作の「沙羅曼蛇III」について。
最初こそ「難易度が高い!」と思いましたが、それはそもそも沙羅曼蛇というかグラディウスシリーズが「覚えゲー」だという事をすっかり忘れていたのが原因でした。過去作で見たようなボスが、過去作とはまったく違う攻撃を仕掛けてきて驚かせてくれたりするのも、ある意味覚えゲーとして過去の記憶を逆手に取った仕組みだなあと思えます。だからこそ、その場復活ができ、オプションが拾える沙羅曼蛇が好きだったのです。
慣れてきて、「意外と簡単じゃん」と思いながら先に進めていると、ちまたで「真の難易度は3周目から」と言われているのを見て真顔になってしまいました。これは先が長そうです。こちらはイージーモードや無敵モードはついていないため、チマチマと進めていければと思っています。
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今回沙羅曼蛇以外のグラディウスシリーズをあらためて遊んだことで、自分が沙羅曼蛇を好きだった理由として、「パワーアップをいちいち選ばなくても取ったら即パワーアップする」「パワーアップがないので押すボタンがショットとミサイルの2つで済む」「ミスしてもその場で復活するしオプションが拾えるのでリカバリーする気が湧く」あたりが大きかったのだなあと気付かされました。
なお本作は「ショットとミサイルを同時に連射する」など細かなオプションも用意されています。このオプションは「沙羅曼蛇III」にも適用できるので、こういったところもプレイしやすさに貢献しています。
以上、思い出に浸るという意味では素晴らしいソフトでした。数々のオプションのおかげで今までプレイしていない作品もさらにやりこんでみたい意欲が湧いてくるというものです。ゲームを進めていて、数少ない「グラディウスIII」のプレイ体験が奈良のゲームセンターだったという思い出まで掘り起こされてしまいました。
今回収録されていないアーケード作品、例えば「グラディウスIV」や「ソーラーアサルト」は時間の都合で入っていないとのことでしたが、今後何らかの形で再プレイできるようになってほしいなと思います。
SNSなどでの反応を見ていると、限定版プレミアムボックスを購入した人も多く、きっちり往年のファンに届いているようでした。逆に「PS4でプレイしたい」という人もいるのが興味深かったです。この手の感想としては「若い人にもぜひ遊んでもらいたい」的なことを書いて〆ようかと思ったのですが、正直新規のユーザーがどれくらい飛びついてくれるものか検討が付きません。われわれのようなオールドゲーマーの売上だけで次に続く作品ができるのかどうかは不明ですが、現在プレイ不可能なグラディウスシリーズの作品が再び日の目を見ることを祈りたいと思います。
(文・怪しい隣人)
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実写Street Fighterのキャスト(写真:ORICON NEWS)39
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