長野地裁=長野市 長野県中野市で2023年5月、住民女性と警察官の計4人が殺害された事件で、殺人などの罪に問われた青木政憲被告(34)の裁判員裁判の論告求刑公判が24日、長野地裁(坂田正史裁判長)であり、検察側は死刑を求刑した。
検察側は論告で、青木被告はいずれも殺傷能力の高い武器で無防備な被害者4人を攻撃したと説明し、「非常に執拗(しつよう)で残虐」だと非難。「怒りにまかせた、短絡的で身勝手な犯行」とし、「死刑をもって臨むべき事案だ」と強調した。
公判で青木被告は黙秘を続け、弁護側は統合失調症の影響で事件時は心神耗弱状態だったと主張している。
起訴状などによると、青木被告は23年5月25日夕、中野市内で散歩中だった竹内靖子さん=当時(70)=と村上幸枝さん=同(66)=を相次いでナイフで突き刺して殺害。通報を受けて駆け付けた玉井良樹警視=同(46)=と池内卓夫警部=同(61)、いずれも2階級特進=をハーフライフル銃とナイフで襲って殺害したとされる。