「車両の完成後に免許が必要なことに気づいた」
虚偽の説明でモペットを販売した疑いがある販売店の女性経営者(41)は、大阪府警の調べにこう釈明したという。
捜査関係者によると、女性は約2年前から、モーター駆動で走る「モペット」を仕入れてフリマアプリなどで販売していた。
女性が取り扱っていたモペットは運転免許が必要だった。一方、客からは「特定小型原動機付き自転車(特定小型)」の購入希望が多かった。特定小型は運転免許が不要で、16歳以上なら乗ることができる。
女性は特定小型の自社製品を売り出そうと、2024年に中国の会社にオーダーメードで製造を発注。規格に適合する仕様や「最高時速が20キロ以下」などの条件で作るよう依頼した。
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完成した200台以上の車両が次々と届いたが、そこで問題が起きた。
完成した車両はモーターだけだと時速が20キロを下回ったが、ペダルを併用すると基準速度を超えることが分かった。この場合、公道走行には運転免許が必要だ。
女性はモーターの速度だけが基準だと勘違いしていたという。「国土交通省のホームページを見て、届いた車両が原付きバイクに該当すると分かった」
大阪・ミナミに店舗を構えたが、特定小型を望む声も多く、在庫をさばくために車種を偽って売ることを思いついたと府警に説明している。
購入した客によると、女性は「免許はいらない」「歩道も走れる」などとうそを言い、車両を販売していたという。府警は店舗などで約3000万円の売り上げがあったとみている。
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「私のやったことは、大きな事故につながりかねないことだと思う」と話したという女性。捜査関係者は「客にルールをきちんと説明せずに販売する業者は後を絶たない。違法運転を食い止めるため、販売者側の取り締まりにも力を入れていく」と話した。【井手千夏】
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