AIサービス「オルツ」の元社長ら4人を逮捕 粉飾決算の疑い 特捜部
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2025年10月09日 15:49 毎日新聞

オルツ本社に家宅捜索に入る東京地検特捜部の係官ら=東京都港区で9日午後2時53分、佐藤緑平撮影 会社の売り上げを水増ししたなどとして、東京地検特捜部は9日、人工知能(AI)技術を利用したサービスを開発する「オルツ」の元社長、米倉千貴容疑者(48)ら同社元幹部ら4人を金融商品取引法違反(粉飾決算)容疑で逮捕した。特捜部は9日午後、東京都港区にあるオルツ本社に家宅捜索に入った。
オルツは、会議の内容を自動でまとめるサービス「AI GIJIROKU(議事録)」を主力商品にして急成長。東証グロース市場に上場していたが、粉飾決算の疑惑が表面化して8月に上場廃止となっている。
逮捕容疑は、2024年12月期の有価証券報告書で、実際には約10億9000万円だった売上高を約60億5700万円と虚偽の記載をし、関東財務局に提出したとしている。
オルツが25年7月に公表した第三者委員会の調査報告書によると、売上高の水増しは複数の会社間で取引をしたように装ってオルツに還流させる「循環取引」という手口で、21年から実施された。21年12月期から4年間の売上高計約137億円の約86%に当たる計約119億円が架空で、第三者委はこうした不正な会計処理は米倉容疑者ら当時の経営陣が主導したと認定した。【岩本桜、五十嵐隆浩、佐藤緑平、北村秀徳】
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