
「新そば」のシーズンがやってきました。打ち立て、茹でたての香りに誘われ、各地で行列ができています 。香り高い新そばをより美味しく味わう方法を徹底解説します。
【写真で見る】「そば派」が多い地域は? 「うどん派」ときれいに分かれた日本地図
新そばは寒暖差で甘みが強い? 色にも注目連休中日の12日、福島・南会津町では「第17回 南会津新そばまつり」(13日まで)が開催され、各地の“そば打ち名人”が集いました。
なかでも人気だったのは、地元の名物「裁ちそば」。最大の特徴は、重ねた生地を包丁で手前に引くように切ることです。
地元の出店者
「板の上で布を裁つ、裁断するじゃないですか。それで裁ちそばと(名前が)ついたらしい」
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打ち立て、茹でたての新そばはやはり格別のようです。
茨城県から
「おいしい、やっぱり会津のおそばは違う」
続いて訪ねたのは、そばの名店が集まる東京・調布市の深大寺です。軽快なリズムで新そばを打っていたのは「松葉茶屋」店主の石川和之さん。
――秋の新そばの特徴を教えてください
松葉茶屋 石川和之 店主
「やっぱり甘みがとても強いということと、香りが高い、風味がいい。すべてそろったフレッシュな感じですね」
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秋の寒暖差で、甘みのあるそばになるのだそうです。この日、多くの注文が入っていたのは800円の冷たいもりそばでした。
お客さん
「色がね、ちょっと新そばが濃いんですよ。緑っぽい。これがすごくいいですね」
松岡葵キャスター:
まず、そばを食べる文化には、地域によってかなり違いがあります。
「そばとうどん、よく食べるのはどっち?」というウェザーニュースの調査(実施:2021年7月30日〜31日、回答:8857人)では…
【そば派】
●北海道(61%)
●東北(57%)
●関東(56%)
●甲信(64%)
【うどん派】
●近畿(63%)
●四国(82%)
●中国(71%)
●九州(69%)
このように、一部の地域を除いてきれいに「東はそば」「西はうどん」と分かれています。
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私が住んでいる高知県を含む四国では、約8割が「うどん」と答えています。確かに、そばを食べるのは年越しそばと、あと数回あるかというくらいです。
では、なぜそばは東日本に定着しているのでしょうか?理由としては二つ考えられます。
一つ目の理由として、歳時記×食文化研究所代表の北野智子所長は「そばは寒冷な気候や痩せた土地に強いので、東日本にそばを嗜好する地域が多い」という点を挙げています。
二つ目の理由として、日本蕎麦保存会の片山虎之介会長は「千葉で濃口醤油の生産が盛んになり、“濃口”にあうそばの人気が加速したのではないか」と分析しています。
新そばの香りを最大限楽しむ“3つの食べ方”松岡キャスター:
収穫後約1〜3か月の“採れたて”のソバの実を使用したものが「新そば」といわれますが、その最大の特徴は“香り”です。新米も香りがいいといわれますよね。
そこで今回、新そばの香りを最大限に楽しむための方法を聞いてきました。
松葉茶屋 石川和之 店主
「新そばを楽しむには、最初に何もつけずに、香りを楽しみながら一口いただいて」
新鮮な新そばの香りや風味を十分に味わうため、まずは何もつけずに食べるのがオススメなのだそうです。私も試しましたが、フルーティーな風味がしてびっくりしました。
松葉茶屋 石川和之 店主
「次はつゆにくぐらせて、全部べちゃっとつけるんじゃなくて半分くらい。わさびをちょっとおそばの上にのっけて食べるのもいい」
こうして食べてみると、つゆもそばも両方の味がちょうどいいバランスになりました。
また、ねぎは少しずつつゆに入れると、つゆの風味を損なわずに食べ続けることができるそうです。
まとめると、次のような3つの食べ方があります。
【新そばの香りを最大限楽しむには】※深大寺「松葉茶屋」によると
(1)香りを楽しみ何もつけず
(2)半分程度つゆにIN、どちらの風味も楽しむ
(3)わさびなどの薬味はつゆの中ではなく、そばに乗せて
こうして段階的に食べると、より新そばの香りを楽しめますが、もちろんご自身が好きな食べ方をするのが一番だということです。
井上貴博キャスター:
そう言われると私はどっぷり全部つけてしまいますが、わさびをあとから口に入れている知り合いがいて、それはおいしかったです。