
クマによる被害が後を絶ちません。秋田県湯沢市では、クマの目撃情報が相次ぎ、男性4人が襲われました。クマの解剖に立ち会った専門家は「全国的なエサ不足」を指摘し、警戒を呼びかけています。
市街地でのクマ出没相次ぐ 秋田では立て続けに4人襲われけが記者
「クマが塀に手をかけてこちらを警戒し、見ていますね」
柵のそばを歩く1頭のクマ。現れたのは、岩手県盛岡市にある建物の敷地内です。
午前11時すぎ、盛岡市の市街地に「クマの成獣1頭がいる」と通報がありました。その後、クマは通報があった場所から北西にある建物の敷地に侵入。徘徊しながら、居座りました。
にらみ合うこと、約4時間。
麻酔を打って、午後3時すぎにクマを捕獲。その後、駆除されました。
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さらに、秋田県湯沢市の湯沢市消防本部でもクマが出没しました。時刻は午前4時すぎ。
その後、クマは自動ドアから建物の中にも入り、15秒ほどで出ていきました。
正面玄関にはクマのものとみられる血痕。幸い、職員にけがはありませんでした。
しかし、この映像の約1時間後、消防本部から、半径わずか1キロ圏内の住宅地で同じ個体かは分かりませんが、クマが出没。
警察などによりますと、午前5時ごろから午前6時20分ごろまでの間に、男性4人が立て続けにクマに襲われ、けがをしました。
このうち65歳の男性は、自宅の前でクマに襲われ、現在もクマは男性の家に居座っているということです。
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JNNがクマによる食害があった青森市のクリ園を19日に取材していると、突然、1頭の小さなクマが現れました。
クリ園ではこの日の朝、体長1.3mのメスのクマが捕獲されました。
先ほどのクマは捕獲されたクマよりも一回り小さく、猟友会によれば、子グマの可能性があるといいます。
定点カメラには、閉じられたわなの周りを動き回る子グマの様子が映っていました。
夜が明けたあとも…
農園関係者
「草むらから出てきたところを見た。(Q.子グマだった?)たぶんそう」
警戒する様子でこちらを見る子グマは、猟友会によって追い払われました。
2025年度、クマに襲われ亡くなった人の数が過去最多となるなど被害は深刻化。
先週、岩手県北上市の瀬美温泉では、男性従業員が露天風呂を清掃中、行方不明になりました。翌日、近くの山林で身元不明の遺体が見つかり、そばにいたクマ1頭を猟友会が駆除。
このクマの解剖に立ち会った専門家は…
岩手大学農学部 山内貴義 准教授
「この時期、植物をいっぱい食べて脂肪を蓄えなくちゃいけないんですけども、そういったような餌・資源っていうのは、ほとんど(胃の中に)入ってないというか、全然入ってなかったです。食事にはかなり困っていたのかなっていう状態ではありました」
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山内准教授は、2025年は全国的にエサ不足になっていると指摘しています。