大手生保、国債積み増しに慎重=日銀利上げで判断割れる―25年度下期計画
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2025年10月29日 08:02 時事通信社

大手生命保険10社の2025年度下期資産運用計画が28日、出そろった。全社が12月か来年1月に日銀が1回の利上げを行うと想定。ただ、さらなる利上げを見据えて国債の購入に慎重な社も目立ち、円金利の上昇を見込んで積み増しを検討する社は限定的と、判断が分かれた。
第一生命保険の市村直人運用企画部長は、継続的な賃上げを想定し「利上げの前提条件は整ってきている」と分析。しかし、現在の超長期国債の利回り水準について、業界内では「すごく魅力的で飛びつくという感じではない」(日本生命保険の都築彰財務企画部長)との声も出ている。
このため、下期の国債購入では、明治安田生命保険が増加を計画する一方、日本生命、住友生命保険は下期の購入を減少させ、第一生命は横ばいとする方針。新資本規制への対応を受けた国債購入が一巡したこともあり、国債の買い入れを急ぐ社が減っている面もある。
これまでの金利上昇で、既に保有する国債などの含み損は各社で拡大している。住友生命は上期に公社債の含み損を一部減損処理した。一方、株高を背景に各社の国内株の含み益は拡大しており、公社債の含み損を相殺している。
生保各社は、契約者からの保険料を原資に金融商品で運用している。超長期国債の主要な買い手となっており、各社の売買で相場が変動するため注目される。
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