
連日、目撃されているクマ。29日には、その姿が教育現場にも…。山形県の小学校ではクマが玄関に突進。ガラスが割れる被害がありました。深刻な被害が相次ぐ中、政府は被害対策の連絡会議を閣僚会議に格上げし、30日に対応を協議すると発表しました。
29日朝、警察や通学中の生徒らが見つめていたのは、ひとけのない草むらを歩くクマです。
その後、手すりをくぐりカメラに向かって近づいてきます。
「こっち来ないで!」
クマの体長はおよそ1メートルとみられ、その後、川沿いの藪の中へ消えていきました。
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現場は山形市の住宅街。近くの高校にも出没したということです。
これは山形市からほど近い南陽市の小学校に設置された防犯カメラの映像。
29日午前5時すぎ。入り口近くに現れたクマは、あたりの様子をうかがったあと、突然、職員通用口の扉に突進しました。扉のガラスは大きく割れています。
校舎内にクマがいないことは確認されましたが、学校は休校となりました。
南陽市立赤湯小学校 須貝賢志 教頭
「(警察や猟友会など)関係機関とも連携しながら子どもたちの命の安全を第一に、登校の再開に向けて判断していきたい」
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山形県内では異常なペースでクマが目撃されています。
今年、県内で目撃された件数は今月26日現在で1906件。これは統計をはじめた2003年以降最多で、すでに去年の5倍を超えています。
また、市街地での目撃件数は今月だけでみると、去年0件だったのに対し、今年は43件と大幅な増加です。
福井県勝山市では28日夜、こども園の防犯カメラに2頭の親子グマが写っているのが確認されました。
29日朝、警察と一緒に園内を歩いていた園長はクマに遭遇したそうです。
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まつぶんこども園 園里香 園長
「ここのところからうおーって感じで、柵のところからこっちのほうへ威嚇。唸り声あげて威嚇してきたので慌てて逃げた」
市は、こども園の半径100メートルにある住宅およそ20軒に避難を呼びかけました。
そして正午すぎ、福井県内で初の緊急銃猟でクマ2頭を駆除しました。子どもたちにけがはありませんでした。
まつぶんこども園 園里香 園長
「クマが近くにいてきょうは外で遊べないから中で遊ぼうねと。発砲のときだけは大きな音が鳴ったり、子どもたちが危ないのでホール(施設内)に避難させた」
クマは近くのカキの木に引き寄せられたとみられ、こども園は柿の実を切り落とすなど対策を進めています。
夕方には群馬県沼田市の住宅の玄関前で男性がクマに襲われました。体長およそ1メートルだったということです。
クマに襲われた男性
「クマがそっちから突進してきた。そのままクマが覆いかぶさってきて、ケツをかじって手を引っかいて。玄関の中に入っては困るのでなんとか手で振り払ったら逃げていった感じ」
クマの出没は西日本でも…。
これは28日、広島県北広島町で撮影された映像です。道路を横断したクマは、自分の背丈より高い柵を乗り越えていきます。
広島市内では29日朝、クマが罠にかかっているのが見つかりました。
地元住民によりますと、午前8時ごろ、罠の周辺で音がしたため確認するとクマだったそうです。
罠を仕掛けた住人
「(体長)1メートル未満だと思う。低い唸り声だった。恐怖はある」
その後、クマは自治体の職員などが対応にあたり、駆除されたということです。
環境省の発表では、クマによる死亡事故の件数は全国で11件となり、過去最多を更新しています。
各地で相次いでいるクマの被害について、政府は関係省庁による被害対策の連絡会議を閣僚会議に格上げすると発表。30日、会議を開くということです。
