「残念」「事故の教訓は」=柏崎原発の再稼働容認に落胆や懸念―福島
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2025年11月21日 20:02 時事通信社

東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の知事による再稼働容認表明を受け、2011年の福島第1原発事故で被災した福島県の住民からは21日、「残念」「教訓を持てているのか」など落胆や懸念の声が上がった。
同県田村市から東京都内に避難している熊本美彌子さん(82)は「福島の問題が解決しない中での容認は残念。事故が起きた時、福島にも放射性物質が再び飛散するのではないか」と懸念を示した。
同県双葉町の自宅が現在も帰還困難区域となっている志賀徳子さん(78)は「私たちは家に戻れず、スタート地点にも立てていない。再稼働の容認は無責任さを感じる」と憤る。志賀さんは「これだけの犠牲を教訓として持てていないのではないか」と語った。
新潟県の花角英世知事は18日、福島第1原発などを視察していた。福島県浪江町津島地区の住民らが古里の原状回復などを求めた訴訟=仙台高裁で控訴審中=の原告団長で、同県大玉村に避難する今野秀則さん(78)は「事故が終息せず、大勢の人々が避難している状況を目の当たりにしながら容認するのは納得できない」と怒りを込めた。
福島では事故から14年8カ月たった今も、古里に帰れない住民が多い。今野さんは「事故が起きた後、古里に帰還できるのかを踏まえた判断であるべきだ。そういった視点が欠落していないか」と疑問を呈した。
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