最近、ドンキは“優等生化”している?――社内で危機感、変な海外グッズ発掘に執心

1

2025年11月28日 05:20  ITmedia ビジネスオンライン

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ITmedia ビジネスオンライン

「剥けるバナナパン」(215円)

 ドン・キホーテが11月に発売した「剥けるバナナパン」(215円)が好調だ。想定の5〜6倍の売れ行きだという。注目を集めたきっかけは、同社公式TikTokに投稿された動画だ。


【画像】どうやって皮をむくの? TikTokで1.3万いいねされた「剥けるバナナパン」を見る


 「あなたはキレイに剥けますか?」という文章とともに11月7日に公開された動画は、11月27日時点で100万回再生され、1.3万いいねを獲得した。バナナのような見た目で、実際にバナナの皮をむくようにパンの外側をむけるのが特徴だ。TikTok上では、実際にむいてみた様子を撮った動画が多数投稿され、話題が広がった。


 仕入れを担当した社員によると、剥けるバナナパンは韓国で流行していたのをSNSで発見し、製造する中国企業と商談して導入したという。「“むけるパン”という要素が日本のお客さまにも興味を持っていただけるのではと考えた」と説明する。


 ドンキでは同商品以外にも、海外発のユニーク商品の展開を強化している。モバイルバッテリーの裏にレトロゲームが付いている「退屈禁止のモバイルバッテリー」(5489円)や、カニをモチーフにしたメカニックなデザインのスピーカー「カニ型ワイヤレススピーカー」(12099円)、香りが付いたごみ袋「WS 香り付きゴミ袋 20L 25枚入」(109円)など、思わず「何これ」と感じる商品ラインアップだ。


●今、ドンキが海外のユニーク商品に力を入れるワケ


 ドンキでは海外で話題の商品の発掘に力を入れている。2024年10月には社内に「ワールドセレクト課」を新設。海外の商品を現地で調査し、メーカーと商談して仕入れる体制を整えた。リーダーの高橋秀幸氏によると、背景には“ドンキ原点回帰”の狙いがあるという。


 かつてのドンキは「何があるか分からない」「くだらない」「変な商品が置いてある」といったイメージで知られていたという。一方、近年はPB商品の強化などにより、利用客のニーズに寄り添う“優等生”な商品が増加。良くも悪くも代わり映えがしない売り場になっているのではないか、と社内で課題意識があったそうだ。


 こうした現状を受け、新設されたのがワールドセレクト課だ。同課では、海外で話題の商品をSNSで探すだけでなく、現地の展示会やショッピングモールなどを巡回。気になった商品があればメーカーに打診して工場にも足を運び商談しているという。高橋氏も先月、ドイツとアメリカに出張したそうだ。


 高橋氏は「売れるかどうかは正直分からないですが、『何これ』と思ってもらえる商品を売りたい。それがドンキの本質だと思っています」と語った。



    ランキングIT・インターネット

    前日のランキングへ

    ニュース設定