男女が死亡した個室サウナ店を調べる警視庁の捜査員=16日午前、東京都港区 東京・赤坂の個室サウナ店「サウナタイガー」で男女が死亡した火災で、2人が発見された際、サウナ室の出入り口のドアノブが外れ、床に落下した状態だったことが16日、捜査関係者への取材で分かった。
同日の現場検証で、サウナ室内の非常ボタンの電源が切られた状態だったことも判明。警視庁捜査1課は、2人がサウナ室に閉じ込められた可能性もあるとみて、施設の管理状況などを調べている。
同庁によると、死亡したのは美容室経営、松田政也さん(36)=川崎市幸区鹿島田=と、妻でネイリストの陽子さん(37)=同。
捜査関係者によると、現場のサウナ室の出入り口にはもともとL字型のドアノブが付いていたが、2人が発見された際には外れ、室内外にそれぞれ落ちていた。ドアを開閉できない状態だったとみられる。2人は室内のドア付近に倒れていた。
室内には店の事務所につながる非常ボタンが設置されており、押されて破損したような形跡もあった。16日の現場検証の際、非常ボタンは電源が切られた状態だったといい、火災当時も作動しなかった可能性があるという。
木製ベンチの背もたれと座面が一部焼け焦げていたほか、ベンチ上には燃えたタオルも残されていた。
15日正午ごろ、サウナ室の外に設置された火災報知器が鳴り、従業員が119番した。2人は同日午前11時〜午後1時の予約でサウナを利用していた。
同課は17日にも司法解剖して2人の死因を調べるとともに、店側の管理態勢に問題がなかったかなどを捜査している。
運営会社「SAUNA&Co」の話 尊い命が失われる結果となったことを重く受け止め、深くおわびする。関係機関と連携し、原因究明と再発防止に全力で取り組む。