
<陸上:東京マラソン>◇1日◇東京都庁〜東京駅前・行幸通り(42・195キロ)
日本記録保持者の大迫傑(34=リーニン)が、2時間5分59秒で日本人トップの12位となった。25年12月のバレンシアマラソンで日本新記録(2時間4分55秒)を樹立してから3カ月足らずで再び快走した。鈴木健吾(30=横浜市陸協)は2時間6分9秒で13位。2時間3分37秒で2連覇したタデセ・タケレ(23=エチオピア)をはじめ11位までを海外勢が独占した。男子マラソンのレジェンドでDeNAスポーツグループフェローの瀬古利彦氏(69)が大会を総括した。
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さすが大迫だ。日本新記録を樹立したレースからわずか3カ月弱で、日本人トップの2時間5分台で走り切るんだからたいしたものだ。調整能力には定評があるが、それにしても抜群の安定感。年齢を重ねると力が落ちてくるものなのに、彼はしっかり維持して、むしろ円熟味が増している。まだまだ日本記録を狙える力がある。
力を出し切って、もう一度体をつくり直すのは至難の業。私の現役時代でも中4カ月が最短スパンだった。中3カ月では疲労を取るのに3週間ほどかかるから、残り2カ月で仕上げなければならない。34歳の大迫は疲労も取れにくくなっているはず。それを可能にしたのは精神力の強さだろう。41キロすぎに鈴木を振り切ったのも、日本記録保持者としての意地でしょう。
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2017年から約9年も日本のトップを走り続ける大迫はアッパレだと思うし、前日本記録保持者で30歳の鈴木の復活も日本の光になった。でも、依然として大迫頼みが続く現状は、この先を考えると寂しいね。中3カ月の34歳に20代が勝てないようでは28年ロサンゼルス五輪は黄信号と言わざるをえないよ。
昨年の世界選手権代表の26歳の近藤亮太(三菱重工)や、箱根駅伝で活躍した23歳の太田蒼生(GMOインターネットグループ)は、大迫の後ろにつくのではなく、前を走らないと。ぶっ飛ばして負けたのではなく、後ろをついていって勝てなかった。完全な力負け。張本さんだったら「喝」でしょう。確かに別大や大阪では20代が頑張ったけど、世界トップ選手が集う東京でこそしっかりと走ってアピールしてほしかった。
初マラソンを2時間7分台で走った21歳の工藤慎作(早大)は健闘した。今年の箱根駅伝の5区で青学大の黒田朝日に逆転されたトラウマから脱したと思う。OBとしても安心した。長い距離を走るセンスは抜群だが、これ以上の記録を狙うためにはトラックで1万メートル27分40秒くらいで走るスピードをつけてほしい。
日本勢は30キロ以降の優勝争いに加わることができなかったけど、前半は橋本龍一(プレス工業)がぶっ飛ばして、26キロすぎまで海外トップ集団の前を独走した。大阪の吉田響(サンベルクス)もそうだったが、日本人だってこういうレースができる。今回は27年10月のMGC(マラソン・グランド・チャンピオンシップ)の出場権獲得に照準を合わせて無理をしなかった選手が多かったが、今秋からのレースでは出場を決めた選手たちが失敗を恐れずにチャレンジする予感がする。大いに期待したい。
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