
<WBC:日本5−8ベネズエラ>◇準々決勝◇14日(日本時間15日)◇米マイアミ・ローンデポパーク
リードを許しても、ベネズエラのベンチ内に満ちていた、ラテン系特有の明るさと前向きな思考は不変だった。
3点を追う5回、2番ガルシアの2ランで追い上げると、6回には7番アブレイユの3ランで逆転。球場内の空気は一変した。「心の中に何がよぎったのかを語るのは、すごく難しい。アッという間で、すばらしい気持ちだった。自分のキャリアの中でもベストの瞬間だった」。23年にメジャーデビュー。25年から中軸に定着した26歳は、興奮の余韻に浸るかのように、決勝弾を振り返った。
ベンチの采配もズバリと的中した。山本に対し、通算10打数7安打と相性抜群のトーバーを下位から5番に起用。そのトーバーが3安打3得点と攻撃の起点となり、侍投手陣を追い詰めた。その結果、今大会で4強入りしたことで、28年ロサンゼルス五輪への出場権も獲得した。殊勲のトーバーは、誇らしげに言った。「ベネズエラのみんなが道路でダンスして、祝福していると思うよ」。
長年にわたる国内の政情不安、極端なインフレが続く経済事情、米国トランプ政権による軍事介入など、ベネズエラ国内の閉塞(へいそく)感、危機感を知らない選手はいない。23年に「40−70(40本塁打&70盗塁)」を達成し、この試合で先頭打者弾を放ったアクーニャは、母国のファンに対する感謝の思いをあらためて強調した。「浮き沈みがあっても信じてくれてきた。この喜びを、我が国にもたらせたことがすばらしい」。史上初の世界一へ向け、ベネズエラが最高の形で09年以来となる4強へ駒を進めた。【四竈衛】
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