「律は天才ちゃうぞ」と厳しく指導=学び得て、停滞期克服―恩師が見た堂安選手・W杯サッカー

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2026年06月21日 07:31  時事通信社

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中学時代の堂安律選手を指導した鴨川幸司さん=5月12日、大阪府茨木市
 サッカーのワールドカップ(W杯)初戦のオランダ戦で、キャプテンマークを腕に巻いた堂安律選手(28)。攻撃的な選手として知られるが、試合では守備にも献身的に走り回り、相手のキーマンに粘り強く対応した。

 「律は天才ちゃうぞ」。ガンバ大阪下部組織の監督だった鴨川幸司さん(55)は、堂安選手の中学時代、ゴールに意識が向きがちな「エース」を戒めるため、繰り返しそう言い聞かせた。

 出会いは有望選手を見極めるための練習会だった。当時、堂安選手は小学6年。体が小さくスピードも足りないと感じた。「いずれ頭打ちするだろう」。チームに入団させたものの、予想通り中1の冬ごろに伸び悩んだ。調子が上がらず「よう涙ぐんでいた」という。

 しかし、停滞期は長くはなかった。「律のいいところは学び、成長する力だ」と鴨川さん。指導をすると真剣に受け止め、他の選手への助言にも耳を傾けた。再び成長の軌道に乗ると、実力が認められ、中2に進級する頃には中3が主体のチームに入った。当初は控えだったが、徐々に信頼を勝ち取り、出場した3大会の決勝でいずれもゴールを決める勝負強さを見せたという。

 「あまり動かない昔の10番みたいなプレースタイルになるぞ」。運動量が足りず、味方が攻め込まれた時も敵陣に残りがちだったが、改めるように繰り返し言うと、献身的な守備やハードワークを徐々に身に付けた。

 主将となった中3のスペイン遠征で印象深いやりとりがあった。各国の同年代が集まる大会で、用具の準備を怠ったため、鴨川さんは罰としてチームに走り込みを命じた。すると、直後に名門FCバルセロナ下部組織との対戦を控えていたため、「いいコンディションでやらないと後悔する。日本に帰ったら倍、走るから練習させてほしい」と頭を下げた。

 提案を受け入れると、堂安選手は試合で見事にゴールを奪い、チームは勝利。大会最優秀選手(MVP)にも選ばれる活躍を見せた。

 伸び悩んだ苦しい時期、チームメートのせいにする言い訳をして厳しく叱られたこともあったという堂安選手。いまや強い責任感を身に付け、精神面でも着実に成長した。鴨川さんは「もう代表の中心。日本の歴史をつくるチャンスだ」と勝利につながるゴールを心待ちにしている。 

W杯のオランダ戦で、相手と競り合う堂安律選手(左)=14日、米ダラス
W杯のオランダ戦で、相手と競り合う堂安律選手(左)=14日、米ダラス


サッカー日本代表の堂安律選手(右)と鴨川幸司さん(鴨川さん提供)
サッカー日本代表の堂安律選手(右)と鴨川幸司さん(鴨川さん提供)

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