
先月、北方領土を電撃訪問するなど日本に対し圧力を強めているロシアのプーチン大統領。その脅威は今、ヨーロッパ諸国に「新たな形」で広がっています。各国で相次いで爆発物が見つかり、ロシアによる「破壊工作」を疑う声が強まっています。
【写真を見る】中国製ジェットエンジン搭載のロシア製ドローン「ゲラン」攻撃の様子
米・ウクライナ和平案協議後…ロシア軍による攻撃激化突然、響く爆発音。警察官のボディカメラが、ロシア軍による攻撃の瞬間を捉えました。
ウクライナの首都キーウ。8日、ミサイルやドローンが住宅地を襲いました。
キーウ市当局は、これまでに5人が死亡し、数十人がけがをしたと発表。
ロシアは最近、新たなタイプのドローンを投入し、ウクライナへの攻撃を続けています。
キーウ市民
「家をきれいに片付けたばかりだったのに、またこんなことになるなんて。昼は仕事に行き、夜にはこんな光景を目にしています」
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実はこの攻撃が始まったのは、アメリカのウィットコフ特使らがキーウを離れて間もなくのこと。
6日、ウクライナのゼレンスキー大統領と会談し、ロシアとの戦闘終結に向けた和平案を協議していました。
8日、キーウにあるテレビ局も、ロシア軍のドローンによる攻撃を受けました。当時はニュース番組の生放送中で、報道フロアなどが被害を受けました。
テレビ局の担当者
「2人が重傷を負い病院に搬送されました。重篤な状態だと聞いています」
一方、ウクライナも応戦。ロシア南部ではウクライナのドローン攻撃で子どもを含む4人が死亡しました。
これまでドローン攻撃でロシアを揺さぶっていたウクライナ。最近、ロシアも新たなドローンを投入しています。ロシア製の「ゲラン」の特徴はスピードです。
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ウクライナ国防省の分析では、中国製のジェットエンジンを搭載していて、最高時速500キロで飛行するといいます。
4日、ウクライナ保安庁の建物にも「ゲラン」が突入しました。ウクライナ側は、迎撃に苦慮しています。
ゼレンスキー大統領
「最も困難なのは、ジェット型ドローンを撃墜することです」
ヨーロッパでは戦火の火種がくすぶっています。
ウクライナの最大支援国・ドイツ。8月4日、東部ライプチヒの空港で爆発物が搭載されたドローンが見つかりました。
この空港はNATO=北大西洋条約機構の重要な物流拠点。
発見されたドローンの部品や爆発物などが、ウクライナへの作戦で使用されているものと一致したとして、ドイツ政府は「ロシアによるもの」と結論付けました。
これを受け、西部ボンにあるロシア総領事館を閉鎖するなどの対抗措置を発表しました。これにロシアは反発。
プーチン大統領
「証拠はどこにあるのか。彼らは証拠を捏造した」
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「報復措置」の「報復措置」として、ロシアのサンクトペテルブルクにある、ドイツの領事館の閉鎖を発表しました。
欧州の各地で「破壊工作」 米CIA長官がロシア訪問し“警告”かこうした「破壊工作」が起こっているのは、ドイツだけではありません。
ポーランドやエストニア、ロシアに近い立場を取っているスロバキアなど、各地でも確認され、いずれもロシアの関与が疑われているのです。
その狙いについて専門家は。
防衛研究所 長谷川雄之 主任研究官
「ポーランドやエストニアについては、『NATO全体に戦線拡大していくのでは』というメッセージを送る意図がある」
8月、ロシア訪問が報じられたアメリカの情報機関トップ、CIA=中央情報局のラトクリフ長官。
ウォール・ストリート・ジャーナルは、NATO加盟国であるバルト三国の一つに対し、サイバー攻撃や小規模な地上での攻撃などを行う危険性があることから、ラトクリフ長官が攻撃を自重するよう警告するためにロシアを訪問したとの見方を伝えました。
NATOの“結束揺さぶる”目的も EUとNATOは対露圧力を強化へNATOの国々を標的とする理由には、結束を揺るがす目的もあると専門家は話します。
防衛研究所 長谷川主任研究官
「(ロシアによる攻撃の)根底には相手の出方を試す狙いが共通してある。ロシアから攻撃を受けたとなると、『ロシアと一定の関係性やチャンネルを持った方が安全』と受け止める可能性がある。そういう方向にロシアとしては持っていきたい」
“ロシアの思惑”とは裏腹に、ドイツの空港で爆発物が見つかった事件を受け、EU=ヨーロッパ連合とNATOは、結束して対ロシア圧力を強める方針を確認。
NATO ルッテ事務総長(2日)
「ロシアはますます無謀な行動に出ている。我々が脅威によって分裂する、あるいはウクライナへの支援を思いとどまると考えているのなら、それは大きな間違いだ」
標的にされたドイツも8日、ウクライナへの防空ミサイルの供与を拡大することなどを表明しています。
こうした中、ロシアのプーチン大統領は、アメリカのトランプ大統領と電話会談。
両首脳はアメリカのウィットコフ特使らのモスクワとキーウへの訪問について意見を交わし、一連の協議について肯定的に評価したということです。和平交渉再開につながるのでしょうか。
