
9月2日にアデコから発表された意識調査によると、「将来管理職になりたいか?」という質問に対し、41.8%が「なりたくない」、34.9%が「どちらかといえばなりたくない」と回答しています。
【写真を見る】「管理職」は罰ゲーム?“約8割”が「なりたくない」働く人のホンネと企業の新たな取り組み【ひるおび】
そもそも「管理職」は、課長・部長・執行役員など、企業などの組織において部下を指揮・監督し、チームや部門全体の目標達成や運営を担う役職を指します。
一般社員・主任・係長などの「非管理職」と、取締役・常務・専務・社長などの「役員」の間に挟まれています。
大正大学招聘教授の海老原嗣生氏は、昔は管理職になるのが当たり前で、ならないと恥ずかしいという時代があったが、今は違うと話します。
大正大学招聘教授 海老原嗣生氏:
昔、家事育児は全部奥さんに任せる性別役割分担があったじゃないですか。やることが仕事しかないから、働き続けられたわけですよ。
今はほぼ半数が女性で、男性も家事育児を分担するわけですよ。だから僕は“良い進化”だと思っています。
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恵俊彰:
組織にとって、管理職のなり手が少ないというのは困ることなんじゃないですか?
大正大学招聘教授 海老原嗣生氏:
そんなことはないと思います。
だって課長は課に1人いればいいんですよ。3〜4割しかいないはずなのに、昔は無理して上げ底して、“部下なし課長”をたくさん作っていたんですよ。逆に言えば半分以上なれないんだから、今はいい形になってきてますよ。
上にいく人はそんなにたくさんいらない。昔みたいなことはしなくていいと思いますね。
街の人は管理職に対してどう思っているのでしょうか?
まずは若い世代に聞いてみました。
20代新卒【営業関係】
「自分は管理職になりたくないなと思ってます。責任と給料が合わないとよく聞いてて、自分には荷が重いと思ってます。」
20代【工場関係】
「やっぱり引き受けたくない。罰ゲームとまでは言わないけど、『管理職いいな』とはならないですね。」
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20代【製造業関係】
「やりたいなとは思ってます。責任感が重要な仕事ではあると思うんですけど、その分やりがいはあるのかなと。」
一方、管理職として働いている人の意見は・・・
30代【美容関係管理職】
「大変です。頑張らないといけないというプレッシャーは日々感じます。24時間ずっと仕事しているような感じです。罰ゲームだなと思うことも多いです。でもその分きっとやりがいがあると信じて今はやっている部分はある。勤務時間が給与と見合ってないところが一番管理職が多い気がします。」
40代【会社員管理職】
「管理職になった方が仕事も変化があるし、面白いと思います。結局やってみないと分からないので、それをやらないで辛そうだなとか思うのはちょっと…」
60代【商社関係管理職】
「昭和の時代と同じように、長くやったら仕事していると思われる文化がいけないんじゃないかな。能力の高い人はどんどん給料を上げればいい。そうすれば頑張ってやろうかなという人が出てくる可能性はあると思いますよ。」
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一般社員と管理職の年収の差を見ると、中小企業・大企業共に、約1.2倍となっています。小企業は年間94万円、中企業は123万円、大企業は189万円の差があることになります。
しかし、年収が上がると税金や保険料も上がるので、手取りの差は少なくなります。
大正大学招聘教授 海老原嗣生氏:
一番税率が変わるところじゃないですか。
さらに社会保険料は給料をもっと多くもらうと高止まりするんですけど、止まる前の一番増えるところなんですよ。だから半分ぐらいしか手取りが増えないんですよね。
こうした問題を解決しようと、管理職の賃上げを行う企業もあります。
≪JAL≫2027年度〜
・「部長」の平均年収約1850万円を成果に応じて最大2500万円に引き上げ
・「課長」も年収を最大10%引き上げ
≪セコム≫2025年〜
管理職手当として、年収ベースで平均約40万円引き上げ
≪レオパレス21≫2026年〜
役職・等級制度の見直しを行い、管理職報酬の上限を最大10%引き上げ
管理職の負担軽減を目的として、AIを活用している企業があります。
不動産関連の仕事を取り扱う「フージャーズコーポレーション」では、全国各地に散らばる部下の管理を効率的に行うため、2025年から『AI上司(HR Operator)』を導入しています。
部下一人ごとに、1週間分の報告書やメールなどをAIが分析。働きぶりをレポート1枚にまとめるだけでなく、仕事への評価やどんなアドバイスをすればいいのかまで提案してくれます。
さらに、『AI上司』は過去のデータをインプットすることで部下の商談のシミュレーション相手もしてくれるので、月10回の面談トレーニングを半分くらいまで削減できるといいます。
フージャーズコーポレーション 事業開発部 井上晃嘉課長
「新人の営業マンでも、実際にお客様がいらっしゃったときに適切な回答が一番最初から出せるようにしています。」
対応の評価や改善点をAIがまとめ、上司に報告。上司はその情報をもとに、部下にアドバイスを行います。
『AI上司』の導入について、来年には部下を任される立場になるという入社2年目の雪江陽平さんは、「上司を見ていると、1人のリーダーに対して3人4人と後輩がつく場合があるので、他物件の管理が行き届かなくなってしまうという不安があったので、そこの不安が少し軽減されました」と話しています。
さらに、管理職制度自体を廃止している企業もあります。
ソフトウェア開発などを行う株式会社「Colorkrew」では、「部」「課」を廃止。
社員全員を横並びにし、プロジェクトリーダーに誰でもなれる仕組みをとっています。
リーダーの鈴木統稀さんは、「特定の人に権限を集中させるのではなく、組織全体でリーダーシップを発揮できるような仕組みづくりができている」と話しています。
また、医療機器メーカー「テルモ」では、20代でも希望すれば管理職になれる新制度を設けました。
従来、5段階ある非管理職の等級を各1〜3年、計14年程度かけて管理職に昇給することを原則としていましたが、入社年・年齢を問わず管理職に応募できるようになっています。
人事部の和地恵チームマネージャーは、
「管理職になることをゴールにするのではなく、1人1人が自分の強みや志に合ったキャリアを選べるのが大切」だとしています。
(ひるおび 2026年9月11日放送より)

