20年前のRPGが過去最高益を呼んだ 『空の軌跡』リメイクは何を変えたのか

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2026年10月08日 16:10  MEDIAMIXI

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日本ファルコムは10月7日、2026年9月期(2025年10月〜2026年9月)の通期業績予想を上方修正した。売上高は43億円、営業利益は28億円と、いずれも過去最高を更新する見通しだ。期初の予想は売上高26億円、営業利益13億円で、5月の修正に続く今期2度目の引き上げとなる。前期実績と比べても、売上高は64.6%増、営業利益は約2.1倍に達する。

けん引役は、同社の看板RPG「軌跡」シリーズのリメイク作だ。20年以上前の作品の作り直しが、なぜこれほどの成長をもたらしたのか。背景を整理してみよう。

目次

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20年以上続く「軌跡」シリーズの原点をリメイク

「軌跡」シリーズは、2004年にPC向けに発売された『英雄伝説 空の軌跡FC』から始まったRPGだ。架空の「ゼムリア大陸」を舞台に、作品をまたいで物語がつながる連作形式が特徴で、シリーズ累計販売本数は2025年9月時点で900万本を超える。

その第1作をフルリメイクしたのが、2025年9月19日に発売された『空の軌跡 the 1st』である。続編『SC』をリメイクした『空の軌跡 the 2nd』も、2026年9月17日に発売された。

「海外版は数年待ち」からの転換

成長の鍵は、両作がともに「全世界同時発売」だった点にある。

軌跡シリーズは長らく、海外のファンが日本版から何年も待たされるタイトルだった。原作『空の軌跡FC』の英語版(PSP版)が発売されたのは2011年で、PC版の登場から約7年後だ。比較的新しい『界の軌跡』も、2024年9月の国内発売から英語版の発売まで1年以上を要した。これに対し『the 1st』は、シリーズ初の全世界同時発売とされる作品となった。

時間差がなくなれば、発売時の話題を世界中で同時に盛り上げられる。SNSや動画配信で情報が瞬時に広がる今、海外ファンを待たせることは、ネタバレや関心の低下といった機会損失につながりやすい。例えばアトラスの『メタファー:リファンタジオ』も2024年に世界同時発売を選び、発売当日に全世界販売100万本を突破している。

高い利益率を生む「ライセンス収入」

もうひとつ押さえておきたいのが、ファルコムの稼ぎ方だ。同社の売上は、自社でゲームを販売する「製品部門」と、他社に販売権などを許諾する「ライセンス部門」に分かれる。例を見ると、『the 2nd』の北米・欧州版はガンホー・オンライン・エンターテイメントアメリカが発売しており、海外版の販売はファルコムにとってライセンス収入となる。

第3四半期累計(2025年10月〜2026年6月)では、売上高22億300万円のうち、ライセンス部門が19億900万円と約87%を占めた。現地での販売や宣伝をパートナーが担う分、一般に利益が残りやすい構造といえる。修正後の通期予想では、営業利益率が約65%に達する計算だ。

中堅メーカーが世界で戦うための一つの解

今回の上方修正には、『the 2nd』や7月に日本・アジアで発売した『亰都ザナドゥ -桜花幻舞-』の販売も寄与した。ただし『the 2nd』は発売から決算期末の9月30日まで2週間足らずで、本格的な貢献は来期以降になる。

くわえて、ファルコムは過去の資産の活用にも動いている。9月には、1994年にPC-9801向けに発売した『英雄伝説III 白き魔女』について、『Lies of P』で知られる韓国NEOWIZと、全世界リリースに向けた商品化ライセンス契約を結んだ。

大作の開発費が膨らみ続けるなか、すべての企業が巨額予算の新作で勝負できるわけではない。根強いファンを持つIPを現代向けに作り直し、パートナーと組んで世界同時に届ける。ファルコムの好業績は、中堅メーカーが世界で戦うための現実的な道筋を示している。

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