テレビアニメ『魔法騎士レイアース』に出演する佐倉綾音 (C)ORICON NewS inc. テレビアニメ『魔法騎士レイアース』(毎週水曜 後11:45)の第1話が7日、テレビ朝日系“IMAnimation W”枠で放送された。連続2クールとなり、第2話は14日に放送される。オリコンニュースでは、獅堂光役の佐倉綾音、龍咲海役の大久保瑠美、鳳凰寺風役の高橋李依にインタビュー。佐倉に、オーディションで見つけた新たな光の表現、平成版への思い、役を作るうえで支えとなった原作について聞いた。
【別カット】ふんわり笑顔もかわいい!この日も光カラーの赤衣装の佐倉綾音
本作は、CLAMPにより1993年〜96年に『なかよし』(講談社刊)で連載されたファンタジー漫画が原作。中学2年生の獅堂光、龍咲海、鳳凰寺風の3人が、社会見学で訪れた東京タワーから突然、異世界「セフィーロ」のエメロード姫に招喚され、囚われの身となった姫を救うため、伝説の「魔法騎士(マジックナイト)」として冒険する物語。テレビアニメが94年〜95年に放送された。新作アニメはテレビアニメ放送約30周年を記念して制作され、97年発売のOVA以来、29年ぶりとなる。
■平成版に「寄せることだけ」を考えず直球勝負
――獅堂光のオーディションには、どのように臨みましたか。
佐倉:オーディションのときに、「平成版の『レイアース』を意識しても、意識しなくても構いません」という、かなりこちらに委ねる感じの資料が来ていました。
きっとスタッフさんも、いろいろな可能性を探っていたのだと思います。画はそれぞれが正解に向かってすでに走り出している。でも、そこに「声」というもう一つの次元を乗せることに対しては、みんないろいろな可能性を考えて、探っているんだと分かりました。
私は、自分の声の個性が強いほうだとよく言われます。平成版に寄せることだけを考えると、期待や可能性を超えていけない気がしたんです。
平成版も知っておりますし、私にとっての光はやっぱり(椎名)へきるさんです。でも、令和に新しく打ち立てる『レイアース』という意味では、あえて自分の直球で勝負しました。
オーディションでは、原作のシーンがしっかり抜粋されており、そこに原作の絵を自分で貼り付けて、光の表情と動きがすべて分かるような形で資料を作って受けたんです。
その中で、オーディションなのに何度かリテイクをしたシーンがありました。オーディションだと指示が来ても1〜2回のことが多いのですが、「ちょっと違うかも」と、5回くらいトライしました。
音響監督さんや監督も一緒になって、「何が私たちの中で少し違うんだろう」と考えてくださって。そこで、「私は今、原作の絵をかなり踏襲して演じているんですけど、そこからもっとふくらませて、こういう表情にしたほうがいいということですか?」と聞いたら、「そうです。それで一度やってみてください」と言われました。
そういった形で演じたら、「それでいただきます」と言われ、合格をいただきました。スタッフさんも、きっと超えようとしているのかもしれない、と分かったので、それがかなり勇気になったことを覚えています。
■「意識しても、しなくても」に込められた意味
――令和版で光を演じるうえで、精神的なバランスはどのように取りましたか。
佐倉:本当に難しかったです。「平成版を意識しても、意識しなくても構いません」と、判断をこちらに委ねられていたので。
「意識しなくて構いません」と言い切ってもらえたら、「では、自分で新しくやってみよう」と思える。でも、「意識しても、しなくても」ということは、私の中に生きている平成版の光も、そのままでいいんだと肯定できるようにも思えました。
平成版を知っている方、平成版のことをとても愛している方の中には、声が変わるというだけでも「観なくていいや」と思う人が、きっとたくさんいると思っています。それは一つの選択ですし、否定する気は全くありません。その気持ちも、ある意味では分かります。
『魔法騎士レイアース』という大切な作品がリブートされる不安の中で、自分が大切にしてきた平成版のアニメを、その段階で全否定されたような気持ちになることも、とても分かるんです。
ただ、少しでも新しい『魔法騎士レイアース』に期待してくれて、「1話でも観よう」と思ってくれた人に、「悪くなかった。次も観てみよう」という気持ちが少しでも生まれてくれたらいいなと思いました。
自分の中にいる平成版の光はそのままに、新しく自分が演じる光との共存を目指して、今回の獅堂光を生み出していった感覚があります。
■支えになったのは「まっさらな原作」
――その中で、一番の支えになったものは何ですか。
佐倉:原作ですかね。当時は、原作とアニメが並行して走っていました。でも、だからこそ原作は原作として走っていて、そこには平成版のアニメも、ある意味では存在しない。原作の『魔法騎士レイアース』だけが、とてもまっさらな状態で、ずっとこの世界にあり続けているという感覚があったんです。
平成版のアニメのことが好きで、心に刻まれていることは、自分でも分かっています。それは、もう戻せない不可逆のものです。
でも、改めてまっさらな原作の『魔法騎士レイアース』に向き合うことで、きっと令和版の『魔法騎士レイアース』が新しく生まれるんじゃないかと勇気をもらい、原作を片手にアフレコしていました。
■平成版を「上書きするつもりはない」
――最後に、令和版の『魔法騎士レイアース』の魅力と、ファン、新しく作品を見る皆さんへのメッセージをお願いします。
佐倉:今、たくさんのアニメが生み出されている中で、『レイアース』は一つの原型として打ち出されている作品でもあります。
もしかしたら、「この設定は最近のアニメで見覚えがある」「こういう世界観はよく見かける」と感じることもあるかもしれません。
でも、CLAMP先生が作り出した、シンプルだけど一番確固たる言葉のチョイスや、美しい風景、熱い魔法のシーンが、きっと令和のクリエイティブにもつながっている。そういうところも含めて、感じ取ってもらえたらいいなと思います。
もともと『レイアース』のことをとても愛してくださっている方の中には、不安でいっぱいの方もいるかもしれません。でも、クリエイティブは本当に優劣ではなく、好きか嫌いかで語るべきものだと思っています。
平成版の『レイアース』を上書きするつもりはありません。平成の伝説の『レイアース』と肩を並べて、この作品が存在できるぐらいの気合を入れて作っています。
令和の時代に生きる、『レイアース』を愛するスタッフ、キャスト陣からのギフトを、ぜひ受け取ってほしいと思います。
※あす13日は龍咲海役・大久保瑠美のインタビューを配信予定。