「10月の大卒就職内定率3.2ポイント増」の背景とは?

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2012年12月27日 18:40  mixiニュース

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大学卒業者の就職内定率が好転している。厚生労働省の発表によると、10月1日時点の2013年3月大学卒業予定者の就職内定率は63.1%。前年同時期比で3.2ポイントの増加となった。

男女別にみると、男子が前年同時期比1.3ポイント増なのに対し、女子は5.5ポイント増と大きく伸びた。内定率そのものも男子63.0、女子63.2と女子が若干上回り、数字の面では男女間の格差はほぼなくなっている。また、文理別にみると、文系が前年同時期比2.7ポイント増の62.4%だったのに対し、理系は6.2ポイント増の66.8%。こちらは理系の伸びが目立っている。

就職内定率は景気の動きに対して少し遅れて連動する傾向があり、2008年のリーマンショック後、2010年卒、2011年卒と大幅な低下が続いた。しかし、2012年卒から上昇に転じ、今回の調査でも引き続き上昇傾向をキープしている。そこで、頭に浮かんでくるのが、「今、景気ってよくなっているんだっけ?」という疑問。この点に関して、リクナビ編集長の岡崎仁美さんは次のように解説する。

「企業の経営環境は依然として厳しいのですが、厳しいからこそ攻めていかないと生き残っていくことができない状況です。そのため、大企業が中長期的な視点から戦略的に採用を増やしていることが全体的な内定率アップにつながっています。中小企業は不況の影響が強く、まだ求人は減っていますね」
理系の内定率の伸びに関しても、好況期には奪い合いになる理系の人材を「今のうちに確保しておきたい」という企業の先を見据えた意識が働いていると岡崎さん。

新卒採用に関して、目先の景気だけに振り回されないスタンスが強まっていることは、学生にとっても歓迎すべき傾向といえそう。ただし、今年10月の63.1%という数字も、この10年間で最も高かった2009年10月の69.9%にはまだ遠く及ばない。今年度の最終的な内定率や来年以降の動きにもしっかり注目しておこう。
(伊藤敬太郎)

【記事:リクルート進学ネット】



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