当サイトでも既報の通り、昨年、アメリカで大論争を巻き起こしたコラム“Why women still can't have it all(なぜ、女性はいまだ全てを手に入れることができないのか)”など、子育てや女性の働き方についての鋭いコラムに定評のあるアメリカの総合月刊誌「Atlantic」のウェブ版に、今月、また興味深い記事がアップされた。アメリカで今、育児の過去回帰が始まっているというのだ。
“How Parenting Became a DIY Project(いかに子育てがDIYプロジェクトになったのか)”(http://www.theatlantic.com/sexes/archive/2013/02/how-parenting-became-a-diy-project/272792/)というタイトルのこのコラム、書いたのは、エミリー・マッチャーという女性。今年5月に発売予定の「Homeward Bound: Why Women Are Embracing the New Domesticity(回帰:なぜ女性は新たに家庭的になろうとしているのか)」という書籍の著者でもある。
ところが、マッチャーは、“Do It Yourself = DIY(自分でやりなさい)”育児が、近年のアメリカの、進歩的かつ高学歴層の親たちの間での最新トレンドだと指摘する。
「自分らしさ」や「納得のいく子育て」を追求するため、子育てに手間暇を惜しまず、自分でできることはなんでも自分でするというのが、マッチャーの唱えるDIY育児の定義。背景には、日本でも信奉者の多いシアーズ博士が提唱した“ there is no expert better than me for my baby(赤ちゃんにとって母親に勝る育児の専門家はいない)”という育児哲学があるのではと推察している。