専業ママに言ってはいけない言葉 VS ワーキングママに言ってはいけない言葉

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2013年02月27日 12:30  MAMApicks

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米国のニュースサイト「ザ・ハフィントン・ポスト」(The Huffington Post、近々朝日新聞と共同で日本版が開設予定)に投稿された2つの記事が、広がりを見せている。

一つは、先月中旬にAmy Shearnという作家が書いた、”Stay-At-Home Moms: What You Should NEVER Say To Them専業主婦ママたち:彼女たちに絶対に言ってはいけないこと)”(http://www.huffingtonpost.com/2013/01/17/stay-at-home-moms-parents-parenting_n_2488463.html)というタイトルの記事。幼い二人の子どものいる、とある“幸せな専業ママ”が、言ってほしくない言葉とその理由を説明したもので、多くの専業主婦(夫)たちが共感のコメント、ツイートを連発。世間の心ない一言に募らせてきた不満を爆発させた。


それに対して、弁護士として働くワーキングママが、”What Not to Say to a Working Momワーキングママに言ってはいけないこと)”(http://www.huffingtonpost.com/devon-corneal/what-not-to-say-to-a-working-mom_b_2566952.html)という記事を投稿。

専業ママから、“ちょっとした敵意と自己肯定を込めて”発せられ、ワーキングママが嫌な思いを禁じ得ない言葉を紹介して応戦した。こちらも、同じ境遇のママたちを中心に10万人以上がフェイスブックで「いいね!」したり、共感のコメントを書き込んだりするなど、大きな広がりを見せている。「もう専業ママVSワーキングママの不毛な争いはごめんだ」という意見も見られたが、異なる立場から発せられた何気ない一言に、傷つけられたり、もやもやとした気持ちを抱かされたりした経験を持つ人が、専業ママ、ワーキングママ双方にいかに多いかが分かるこの二つの記事。

外で働くキャリアウーマンではないけれど、完全な専業主婦でもない、“在宅パートタイマー”という第三極(決して専業主婦とワーキングママのおいしいとこどりではなく、むしろどちらの恩恵も存分には受けられない悲しい立場でもある)にいる筆者が、これらの記事を参考に、それぞれに「言ってはいけない言葉」をまとめてみた。

専業ママに言ってはいけない言葉


1.毎日何してるの?
何って、子育てですよ。家事ですよ。子どもは片時も目を離せないし、毎日、手を変え品を変え、子どもと遊んで、いろんな経験させて、ママ友との交流もこなし、節約レシピを考えて――。専業主婦ママだって、暇を持て余してるわけじゃないんです。

2.自分の時間があっていいね。
自分の時間なんてないんです、そういうあなたが一日子どもを見てくれない限りは。幼稚園に入園するまで、四六時中、子どもとべったりですよ?ママのリフレッシュ目的のための一児保育もたまには使いますよ。でも、いつ呼び出しが来るかとびくびくしながら美容院にでも行けたら御の字。銀行行ったり、たまった家事を片づけたり、2〜3時間なんてあっという間。

3.旦那さんの稼ぎだけで生活できるなんてうらやましいわ〜。
世の中には、自分の稼ぎだけで女房子供を食わせていける夫もいるけど、専業ママたち全てがそういう夫を持っているわけじゃないんです。子どもと過ごす時間を優先させたくて、自ら家にいることを選んだ人もいるし、働きたくても働けなくて、専業主婦でいる人もいるはず。そういう家庭では、共働き家庭がなんの躊躇もなくお金をかけている豪華な外食とか家族旅行といった贅沢を犠牲にしているかもしれないってことも、お忘れなく。

4.うちの子、保育園でこんなこと学んできたよ。集団生活って大事だわ〜。
確かに、0歳、1歳のころから、保育園でたくさんの刺激を受けている子と、在宅児の差は大きい(乳幼児期のわずかな時期だけとはいえ)。オムツはずれだって早いし、早くから社会性も身につくし、そりゃあ、いいですよ、保育園。でも、専業ママは、希望したとしても保育園に預けられないし、自ら選んだことだとしても、保育園の良さを力説されると、「すごいね〜、よかったね〜(棒)」としか答えられないのも現実です。

5.今しかない貴重な時間、子どもとの全ての瞬間を楽しんでね。
子どもが癇癪起こして外でひっくり返ってる瞬間も?ウンチまみれの下着を必死に漂白してる瞬間も?それは無理ってもんです。24時間365日、子どもといる全ての瞬間を心から楽しむことは、不可能です。専業ママだからって、そんなこと求めないでください。

ワーキングママに言ってはいけない言葉


1.仕事と子育ての両立、大変でしょ〜。どうしてるの?
どうやって両立させてるか、実際に両立できてるのか、自分にも分かりません。もちろん、この生活は大変。でもそれは、外で働いてるからというわけではなく、子育てそのものが大変だからだと思う。家にいようと、外で働いてようと、それは変わらないのでは?

2.一日中子どもと離れなきゃいけないなんて、耐えられない。
そう、その通り。子どもと離れるのは本当につらい。でも、克服しなきゃいけないの。仕事なんだから。

3.働かないと生活できないの?
もちろん、住宅ローンや教育資金のためっていうのもあるけど、お金のためだけに働いてるわけじゃない。自分がこれまでに受けてきた教育や築いてきたキャリアを大切にしたいからというのが最大の理由。それに、母親が外で働く姿を子どもたちに見せることも大事だと思うから。

4.こんな小さいうちから保育園で子どもがかわいそう。
子どもがかわいそうかどうかは、他人が決めることでもなければ、とやかく言うことでもないはず。「三歳児神話」を信じる親や身内から言われることもたびたびだけど、復職前に誰より悩んだのは、他でもない働くママ自身。保育園でしか経験できないこともあるし、お願いだから「かわいそう」という言葉は使わないで。

5.一番かわいい盛りを一緒に過ごせないなんて。仕事はいつでもできるけど、子育ては今だけだよ。
子育ては今だけじゃなくて、ずっと続くもの。それに、ブランクが開けばあくほど、復職は難しくなるのが現実。子育てが終わってひと段落したら、またすぐに仕事に就けると簡単に考えないでもらいたい。それにこのセリフ、言われるのはどうしていつも母親なのかしら?働くパパに同じセリフ言ったことある?

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決して、専業ママVSワーキングママの対立を煽りたいわけではないけれど、どちらの言い分も、お互いへの羨望やねたみや軽蔑や優越感や、いろんな感情が複雑に入り混じったものに見てとれる。

専業主婦でも働いていても、子を思う気持ち、子育ての大変さや喜びに変わりはない。不毛な対立を避け、それぞれの立場を尊重し合うため、何気ない一言にも注意したいと、自分に誓ったまとめ記事でした。


恩田 和(Nagomi Onda)
全国紙記者、アメリカ大学院留学、鉄道会社広報を経て、2010年に長女を出産。国内外の出産、育児、教育分野の取材を主に手掛ける。2012年5月より南アフリカのヨハネスブルグに在住。アフリカで子育て、取材活動を満喫します!

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