身近な生活への満足感から?「幸せ」という高校生が96%

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2013年04月19日 10:30  スタディサプリ進路

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スタディサプリ進路

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不況が長引く日本で生まれ育った現代の中高生。そんな中高生は自分自身や日本社会について悲観するどころか、父母世代以上に前向きにとらえていることが、NHK放送文化研究所「中学生・高校生の生活と意識調査2012」から浮かび上がった。同調査の2つのデータに注目してみよう。 ■幸福感 「今、幸せと思うか」という質問に対する「とても幸せだ」「まあ幸せだ」の合計は、中学生が94%、高校生が96%。同じ質問をした父親と母親の数値もほぼ9割だった。 しかし、「とても幸せだ」のみに着目すると、父親と母親は2割弱と少ないのに対し、中学生55%、高校生42%と多く、中高生の幸福感の高さが際立つ。 また、過去の調査と比べると、2012年の「とても幸せだ」は、中学生が前回から14ポイント、高校生が9ポイント増加。横ばいの父母とは異なる動きをしている(グラフ?)。 なぜ中高生の幸福感は高まっているのだろうか。同調査では、不安定な心理状態がまったくない人や、打ち込めることのある人が増加しており、幸福感との相関がみられる。さらに、NHK放送文化研究所副部長の岩本裕さんは、専門家へのインタビュー等をふまえ、こう分析する。 「調査では、中高生が『社会』よりも『自分の生活』を重視していることがわかりました。生活で大きな割合を占める学校について楽しいという人の増加や、家庭での親子関係が良好になっている傾向もみられます。 また、お金や手間をかけなくても無料アプリなどすぐ手に入るツールで、友達とつながったり、世界に向けて情報発信したりしています。彼らが重視している身近な生活にマイナス要素があまりなく楽しめる状況が、幸福感の高さにつながっているのではないでしょうか」 ■日本社会に対する評価 「今の日本はよい社会だ」という意見に対しては、「そう思う」という高校生は30%、「そうは思わない」は62%。中学生の回答も同じ傾向で、否定的な見方をする中高生が多いようだ。 ただし、過去30年間の推移をみると、12年は中高生のみ「よい社会だ」の増加が目立つ。(グラフ?)これまでは、バブル経済崩壊後の92年から02年にかけて「よい社会だ」が激減するなど、中高生も父母と同じような動きをしてきた。 しかし、02年から12年にかけて、父母は前回から変化がなかったのに、中学生は18ポイント、高校生は13ポイント増加。過去30年間で初めて中高生が父母と違う動きをした。 02年では中高生もバブル期との落差を感じて評価が低かったが、12年の中高生はバブル期を知らないため、そもそもの期待値の低さが高評価につながったことが考えられる。また、幸福感同様、身近な範囲で満足していることも背景にありそうだ。 「調査結果から、現代の中高生の前向きさや素直さを感じました。課題の多い社会でも希望をもって行動できる子どもたちが、どんな未来を描いていくか、期待したいですね」(岩本さん)

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