19日の安倍首相の「成長戦略スピーチ」において、成長戦略の中核をなすものとして、「女性の活躍」が挙げられた。その具体策のひとつとして示された「育児休業を3歳まで延長する」が、話題になっている。
首相はこれを「3年間抱っこし放題での職場復帰支援」と称し、一定期間子育てに専念したい層のために、現行の育児・介護休業法で認められている、原則1年の育児休業期間について、子どもが3歳になるまで男女ともに取得できるよう、企業に自主的な取り組みを求めたという。今後政府は新たな助成金を創る形でこれを支援していく方針である。
さらに、ブランクが長くなった職場復帰への不安解消のため、本格的な復帰の前に大学や専門学校などで「学び直し」できるプログラムを用意し、総合的に推進していくという。この話題に対してツイッター上では、
「現状の育休1年でも、出産した女性は戦力外ってことになっている。キャリアを積みたい女性は今以上に子どもを持たない選択をするようになるのではないか」
「育休をとる以前に、妊娠したら自主退職を促されるようなとこが主流じゃないのかな…まずは現行の1年の育休をしっかりとれるように法整備すべきでは」
「育休中に2人目できちゃったらどうすんだろ…まさか6年は休めないもんな〜『3歳まで』に限定せずに、臨機応変に休みがとれるようにしてほしいなあ」
「復帰のしやすさを考えると短時間勤務への支援を充実させてほしい」
「この3年って3歳児神話からだったら嫌だな…」
「組織のあり方や、妊娠出産に関する風潮が現状のまま、ただ休みだけ長くなったのでは何も変わらないどころかますます妊娠を機に辞める女性が増えると思う」
「3年育休なんてどこの大企業の話かと。特に女性は非正規雇用が多いのだから、非正規雇用でも育休を取れるようにするべきでは」
「待機児童ゼロを目指すこと、保育士の処遇改善なども支援の内容に組み込まれているようなので、支持したい。なんだかようやくまともな議論になってきた感じ」
「育休中の手当ては3年間出るわけではないのか…だったら3年も休めないな」
「男性も育休がとりやすく、時短勤務しやすくなるなら支持したい」
といった声など、「制度があっても実際は取りづらいのでは?」「3年も育休をとれるのは限られた人の話で自分たちは恩恵にあずかれない」という意見が多く見られた。
「3年育休」については、「選択肢がひとつ増えた」ぐらいの感覚でいいのかもしれない。
いずれにしても、為政者の皆さんにはもっと下に降りてきていただき、今どきの子育て事情をより広く深く知ってもらいたい、というのが真情だろう。
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平成25年4月19日 安倍総理「成長戦略スピーチ」(首相官邸)http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/0419speech.html