理系女子の味方「サイエンス・エンジェル」ってなに?
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2013年05月20日 11:20 スタディサプリ進路
現在、国公立大学を中心に多くの大学が、女性の研究者が働きやすい環境を作ったり、次世代の女性研究者を育成するためのさまざまな取り組みを行っている。
東北大学でもこの取り組みが盛んだ。実は1913年に日本初の女子大学生が誕生したのが東北大学。それから100周年の節目を迎える今年まで、一貫して女子学生や女性研究者をサポートしてきた歴史があるのだ。
そんな東北大学の取り組みのなかでも最近注目を集めているのが「サイエンス・エンジェル」。これは自然科学系の女子大学院生による活動で、次世代の小中高生のお手本となって、科学の魅力を伝えることが目標だという。
昨年度は57人の「サイエンス・エンジェル」たちが活動した。今回はそのなかの一人、東北大学大学院理学研究科に在籍する八巻淳子さん(23歳)に話を聞いた。
昨年の八巻さんの主な活動は、大学のオープンキャンパスイベントへの参加、小学生向けの実験ショー、高校での出張セミナー、東京・お台場で開催された「サイエンス・アゴラ」というイベントでの出張セミナー、特別講師として小学校での理科の授業などなど。
なかでも八巻さんが印象深いのが高校での出張セミナーだという。
これは依頼を受けた高校にサイエンス・エンジェルが出向いて講演を行う活動。八巻さんは茨城県の高校で50人余りの理系志望の高校生の前で講演した。
「生い立ち、高校時代の思い出、地学を専攻した理由、大学生活や研究内容の紹介など、今までの人生を振り返るものでした。ほかの活動は科学のおもしろさを伝えることが目的ですが、出張セミナーは自分の経歴を紹介することで、進路選択の参考にしてもらうことが目的。そこに大きな違いがあり、すごく新鮮な体験でした。講演後、キラキラした目で『頑張ります!』と言ってもらったり、終了後のアンケートで『地学に興味をもった』というコメントがあったりして、少しは役に立てたかなとうれしかったですね」
八巻さんは、高校時代、地図帳で「山のでき方」などを見てロマンを感じ、「地学を学びたい」と思ったそうだ。しかし数学は苦手だった。「高校の数学の先生がかっこよくて(笑)、テストで一番になった人の名前を呼んでくれるんです。だから『先生に名前を呼んでもらえるように頑張ろう!』と友だちと一緒に勉強していました。苦手科目から逃げないためには、そんな不純な動機を設定してもいいと思いますよ」という。
高校生の時は、大学卒業後の進路をまったく決めていなかったという八巻さん。サイエンス・エンジェルの活動を通して、「科学の知識をその分野に興味がない人にもわかりやすく楽しく伝える仕事をしたい」という夢をみつけたそうだ。
「理系に進みたいと思う女子は少数派かもしれませんが、少数派だから不利だと感じたことは今まで一度もありません。むしろ、こんな活動のチャンスを与えられたことに感謝しています」という八巻さん。
「高校生には、たくさんの可能性があると思います。未来のことはわからなくて当たり前。将来設計がしっかり決まっていなくても不安にならず、今やりたいと思うことを素直に選びとってください」とアドバイスしてくれた。
女子学生入学百周年記念のロゴマーク
(http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2013/04/press20130404-01.html)
●リクナビ進学「オープンキャンパスに行こう! (http://shingakunet.com/openCampus/)」コーナー
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