【コラム】子どもが生まれてから手書きの機会が増えた

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2013年06月24日 12:31  MAMApicks

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娘が生まれてからというもの、字を書くことが増えた。
役所での手続き、各種申請、予防接種をはじめとした通院に、ネットで注文したベビーグッズの受け取りの際のサイン。
どれもこれも長文を書くわけではないし、住所氏名など決まりきった内容の反復なのだが、毎回「あー、今回も字が汚かったな……」と軽く反省している。

物凄い悪筆というわけでもないが、あまり自分の字に自信がない。
丁寧に書こうとすれば十人並みに書くことはできるが、走り書きした字がものすごく雑。


社会人になって10年あまり、仕事では手書きで物を書くことが本当に少なくなった。
とくにシステム職に長く就いていたため、PCに向かって文字を打つことが仕事だったし、報告や連絡もメールで行うし、事務的な手続きもどんどん自動化されていき、会社員生活の中で字を書くことは数えるほどだったのではと思う。

仕事のみならず、プライベートでも字を書くことはめっきり減っていっている。
思い起こせばこの10年余りで、メールの台頭に始まり、スマホの会話アプリ、SNSのメッセージ機能など、家族、友人との連絡手段は完全にデジタル化されてきた。

結婚後、長らく途絶えていた年賀状の習慣を再開させたものの、住所も文面も印刷して作成しているし、一言メッセージを添える程度。

それくらい手書きの文字と縁遠い生活を送っていたので、病院でカルテ用の用紙を書くたび、役所で申請書を書くたびにヒーヒー言っている。

しかも大抵は急いでいるので汚い。見る人はさして気にしてはいないと思うのだが、自分では気になってしまうのがコンプレックスというもの。

かと言ってペン字を習うほどのモチベーションもなく、そんな時間があれば運動のひとつでもしたいところだ。


しかし、この程度で音を上げていてはいけない。
娘がもう少し成長し、保育園や幼稚園に入園することになれば、さらに字を書く機会が増えることを知っている。
ひとつは書類の手続き、もうひとつは持ち物の名前書き。

世のお母さんは実際どれくらい作業しているのだろう?と後学も兼ねて、2歳の男の子を持つ友人にきいてみた。

友人いわく、「手書きは別に苦ではない。しかし名前を書かなくてはいけないものが多いのは確かで、その形状や非効率さにはウンザリする!」とのこと。

書類については、出す必要性は分かるのだが複数枚の資料に同じ内容を書かなければならないものが多く(例:夫婦それぞれの通勤経路詳細!めちゃくちゃ面倒くさい!)、「どうしてこの内容をそれぞれ共有してくれないの?!とうなだれている様子。
お役所ならではの効率の悪さを実感しているようだ。

また名前を書く必要がある持ち物は、えてして字が書きにくいというのがストレスのよう。
洋服や靴は、諦めてタグに書くのでまあ我慢できるとして、困るのはタオル、靴下、あと変わりだねではオムツ。

タオル、靴下は想像するだけで書きづらそう。
タオルはアップリケを貼ったりして工夫するしかないそうだ(洋服にもオーダーしたアイロンプリントをするマメなお母さんもいるらしい、ひたすら敬服)。

靴下はその作戦も使えないが、子どもが放り投げたりするし個性が出づらいせいもあって、そこらへんに落ちていても先生方は一切判断できないので、絶対に書いておきたいところ。

しかし書きづらいし、書いてもすぐ消えてしまうという厄介な代物である。
名前を書く欄がある靴下をオリジナル開発してウリにしているところもあるらしく、需要あっての供給……と経済の原則をまざまざと感じてしまった。

昔は刺繍している家庭も多かったとか……まさかうちの母親もしていたのか?
裁縫は字を書くよりさらに苦手なので、だったらまだ書くほうがマシかな、と苦笑いになる私。


オムツに名前を書くというのは以前他の友人からも聞いたことがあり、各自持っていかなくてはいけないことにも驚いていたのだが、自宅に持ち帰るための名前書きでもあるらしい。

たしかに全児童のオムツを廃棄するのは大変そうだもんなあ……ということで、正しく家庭へ持ち帰らせるために名前書きが必要らしいのだが、これがまあオムツ特有のガサガサ素材のせいで、油性ペンではなかなかうまく書けない上に乾かすのも一苦労。

そこで工業用のインクを使ったシャチハタをオーダーして使うお母さんが多いらしく、友人もこのアイテムのお世話になっているらしい。

ストレス極まりないオムツの名前書きが、楽しいハンコポンポンタイムに! プロ用なので高額ではあるけれど、時間の節約を考えたら既に元は取った!と太鼓判のよう。

しかもオムツだけじゃなくて、オモチャやカッパ、長靴の名前入れにも使える。そして消えない!と大絶賛している。

デザインはオリジナルでオーダーだから可愛さも出せるしインクの色も選べるしで、「これはいいことを聞いた!」と心のウィッシュリストに入れておいた。いくら何でも気が早すぎたか。


ちなみに友人は名前シールやアイロンプリントも作ったが、シールはすぐに取れるし、アイロンプリントはアイロンを出して来るところから面倒くさい上、子どもがいる中でのアイロン操業は辛すぎるのでお蔵入りしたとか。

まれにアイロンしたとしても結構すぐに取れるから努力はあまり報われないのだとトホホな体験談を聞かせてもらった。


さまざな試行錯誤や工夫を凝らして作業時間の削減に努めていても、膨大な量の手書きが必要なのは覚悟しておいたほうがよさそう。

ひたすら名前が書かれた持ち物を想像しているだけでゲシュタルト崩壊を起こしそうになっている。夫は私のはるか上を行く悪筆なので、字のうまさには皆目期待できないが、いざとなったら分業するしかないな。

そして次回の予防接種の用紙は余裕を見て丁寧に書く練習をしようと決めたのであった。


真貝 友香(しんがい ゆか)
ソフトウェア開発職、携帯向け音楽配信事業にて社内SEを経験した後、マーケティング業務に従事。高校生からOLまで女性をターゲットにしたリサーチをメインに調査・分析業務を行う。現在は夫・2012年12月生まれの娘と都内在住。

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