高校生の留学体験?「語学習得より人生修行」と中米コスタリカへ

1

2013年06月27日 11:11  スタディサプリ進路

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

スタディサプリ進路

写真
海外留学というと、アメリカやイギリスなどの英語圏を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、そうではない国々を留学先として選び、貴重な経験をしている高校生もいる。 例えば、中央アメリカ南部の自然が豊かな国、コスタリカに留学した古里奈穂子さん(高3)。「単なる語学研修ではなく人生修行がしたい」とあえて英語圏を避け、中米の中でも安全な印象で、永世中立国である点に興味をもったコスタリカを留学先に選択。2012年2月〜13年1月までの11ヵ月間を過ごした。 現地では共働きの両親、古里さんより4つ年上と1つ年下の姉妹の家庭にホームステイし、妹と同じ学校へ通学。コスタリカの公用語はスペイン語のため、学校でも家庭でも基本的にスペイン語を使う。古里さんは出発前に自宅でスペイン語の基礎を勉強したが、留学し始めのころは会話がほとんど理解できなかったという。 「最初、スペイン語の会話はどこで単語が区切れるのかすらわからず、英語ができるクラスメイトに助けてもらったり、電子辞書で調べたりしていました。それが半年ぐらい経つと、何について話しているのか大まかにわかるようになりましたね」(古里さん、以下同) 学校の授業の様子は、言語以外の面も日本とは大きく違うようだ。 「先生と生徒は友達みたいな関係。授業中、先生も生徒もお菓子を食べていたり、席を立って購買やトイレに行く生徒がいたり、先生にお願いして授業をなくしたり。努力家が多いですが、それより先に楽しむことを大切にしているように感じました」 国民性の違いはしばしば古里さんを驚かせた。「あと15分」と言われれば1時間はかかるというルーズな時間感覚、細かいことはうやむやにするおおらかさなどには戸惑いを感じることもあったという。一方、美点として古里さんがあげるのは「質問力」だ。 「授業中でも日常でも、みんな自分が納得するまでバンバン質問してきます。例えば、授業でわからないことがあると、日本人は周囲の目を気にしてなかなか質問できないものですが、コスタリカ人はすぐ『なぜ〜となるのか』と質問。それに対して、先生だけでなく生徒からも『これこれこうだよ』と声が上がります。こうした活発なコミュニケーションは、私も見習いたいと思いました」 学校で鼓笛隊や伝統舞踊のグループなどに入って独自の文化に親しんだり、さまざまなところを旅行してマンガ「火の鳥」のモデルとされる幻の鳥ケツァールに出会ったり、ウミガメの産卵を見たり…。古里さんからはたくさんの思い出話があがってくる。 そんな充実した生活の中で、苦労したこともある。1つ年下のホストシスターとの関係だ。話しかけてもいつも不機嫌そうで、16歳ながらほぼすべての家事をこなす妹に対し、古里さんは気まずさを感じることが多かったという。 「でも、私が日本に発つ時は、空港で妹も私も大泣き。そこですべてのわだかまりが解けた気がします。最後にお互い別れを惜しむことができたことが、留学生活最後のそして最高の思い出です」 現在、古里さんは高校3年生。大学で国際関係学を学ぶため、“人生修行”の留学で培った柔軟さや継続する力を生かし、受験勉強に励んでいる。大学進学の先にあるのは国際的な仕事をすることだ。 「留学前、国際交流で大切といわれる『相互理解』について、文字通り相手の文化や考え方を『理解すること』と思っていましたが、今は『相手をありのまま受け入れること』と考えるようになりました。将来はそんな相互理解の姿勢で、世界や日本の役に立てる仕事ができたらと思っています」 ※取材協力:公益財団法人AFS日本協会 (http://www.afs.or.jp/)

    前日のランキングへ

    ニュース設定