【コラム】乳幼児持ちの引越し考

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2013年07月08日 15:00  MAMApicks

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引越しが、大好きだ。
ものを捨てられない人にはちょうどいいきっかけにもなる。
それが引越しの醍醐味。

生まれてから今日までで通算10回。
自分の意志での引越しに限定すると……5回?

しかし、結婚して家族が増えていくほど、安易な引越しはできなくなってくる。
そんな筆者が先日、人生最後になるかもしれない引越しをした。

■動機
マンションを購入した(夫が)。

借家育ち、それも「自転車の鍵で開く」と揶揄されたような家に長いこと住んでいたので、筆者には持ち家という発想がそもそもなかったのだが、

・このまま家賃を払い続けていった場合と買った場合の総額の試算と比較
・もしこのエリアが再開発でもして地価が高騰したら家賃が上がるのではないかという不安
・老後にこの額はきついし、マンションが取り壊しになった時に高齢になっていたら、借りられるところがあるのか
・そもそも「マンションの終わり」っていつなんだろうか?(築35年級のマンションに住んでいた)
・1Fの部屋は開けると蚊が入って子どもが食われまくるし、湿気が多くあらゆるものがカビるため、とにかく引越ししたい

上記の理由から、極力環境はそのままにと、町内で買えそうなマンションをぼんやり探していたところ、急に波が来て、その波に乗ってしまって判子をついて今ここ、という状態なのである。

小学校と中学校の間という、子どもにはナイスな立地を手放した格好になるが、前の家からさほど遠くないので、まあいい。

■業者手配
今回は引越業者一括見積サイトを使ってみたが、働いていると相手にスケジュールを合わせるのもなかなか難しく、基本的に来宅見積もりが厳しい状況。本当は来てもらった方があとで料金追加などでもめなくていいのだが、相見積もりをとった結果、過去2回お願いしている、来宅見積もりなしで基本的に追加料金なしのところにお願いした。

ちなみに「一括見積り」などを利用すると、メールでの返答を希望していてもフォームを送った直後からものすごい勢いで電話してくる業者がいて、そういうテンションが好きじゃない人にはやや苦痛なので、事前によく吟味した方がいいだろう。

■荷造り
Twitterで、「子連れ引越しの注意点は?」と話を振ってみたところ、「まず荷造りは無理。おまかせできる丸ごとパックにした方がいい」という答えをいただいた。

まあ、確かにそうなのだが、今回あまりにも至近距離の移動だったため、完全に引越しをナメており、エアコンの引越しで高額になることがわかっていたので、極力自分たちでやろうとして、荷造り荷ほどきセルフ、2トントラックに載るだけ載せるという“安安パック”にしてしまった。

ダンボールを届けに来た業者が部屋を見て、「ダンボール足ります?」と尋ねてきた。
最初は20個置いて行ってくれたのだが、完全に足りず、追加でもう20個リユースダンボールをお願いしたのだが、最終的にそれらをさらに再利用しても、退去予定日の5日前である今日現在、まだ終わっていない。

子どもが保育園に行っている間は仕事、帰ってきたら相手して急いで寝かす。
寝かしついでにこちらが寝てしまうことも多いから、荷造りがはかどるわけもなく。

教訓:子連れの引越しには「丸ごとパック」

■引越し当日
ちびっこがウロウロしていては何も進まないことがよくわかったので、当日は実家に応援を頼み、息子を公園に連れ出してもらった。

シャボン玉でさんざん遊んでご機嫌で帰ってきた頃、もう業者は撤収していた。早い。ものすごく早かった。

まあ、全体量の1/3しか荷物載らなかったから、そりゃ早いよねー……。

しかし、実家が頼れなかった場合はどうだったのだろう。
保育園の一時預かり?シッターさん?どちらにせよ高くついたことだろう。
ありがとう実家。

■後日
当然まったく引越しした気にならないほど旧居には荷物が残っているので、空いている時間で運び出さねばならない。
レンタカーを借りてもいいけど怖かったので、養生テープと自転車の荷台をフル活用して運んだ。
その際の写真を見た知人からは「雑技団」というあだ名をいただいたが、たぶん、台車を使うべきだったとあとから気づいたので、その後台車を購入。

「お母さんが空いた時間で引越し作業を進めなくてはいけない場合」がもしやってきたら、迷わず台車で。

■粗大ゴミ
今回の引越しにあたり、子どものものをだいぶ処分することにした。
次使うかもしれないし、と取っておくことはできるが、ベビー用品はつねに最新型が出るし、新しいものの方が機能的に優れていることも多いから、いっそのことサヨナラしようということで。

もちろん、初産の時はわからないことだらけというか、何がわかってないのかもわからないから、いただいた方がありがたいのだが、2回目はさすがに自分でよくわかっているだろう、という判断をした。

スッキリしたし、家に広いスペースを手にいれたが、これが裏目に出ませんようにと、今も密かに祈っている。

■保護グッズ
入居してからだとなかなか手をつけづらいものではあるので、引越ししたテンションのまま、一気にバリアフリー対策をしてしまった方がよいだろう。

前の家は引き戸メインだったので気にもしなかったが、ドアの蝶つがいがなんだか気になる。子どもが指を挟むのではないかと。

いろいろ調べた結果、ジャバラ状のものを蝶番に貼ればいいことを知り、運よく100均ショップで見つけたので、大量購入して使っている。

その他にも洗面所への段差で子どもがつまずくので、EVA素材のスロープを手配した。

ちなみに今の所で一番重宝しているのは、キッチンの入り口につけたオートロックゲート。付け方が難しいのがイマイチではあったが。

■ 階下への配慮
今まで1Fに住んでいたので子どもの足音による騒音を気にしたことがなかったが、入居してみると結構気になる。自分が同じフロアで気になるものは、階下の方はだいぶ気になるのではないかと思う。

たしか購入時に、不動産業者の方から「もしリフォームするときにはフローリングの防音工事をお願いします」と言われていた。ということは、過去に注意を受けた前例があったのではないだろうか。

新築マンションに住む友人は、「下に住んでるのが仲いい人だからいいけど、気を遣うよね」と言った。新築ですら騒音が完全に防ぎきれていないのだから、中古マンションはなおさらではないだろうか。

階下の方に挨拶を、と数回伺ってみたがいつ行ってもいらっしゃらないので、せめてもとのことで、手紙を郵便受けに入れてきた。

できるかぎりの対策はしようと、EVA素材の分厚いジョイントマットを新調。
ところがそれ以降床が滑るようになったので、子ども用スリッパを導入、裏にすべり止めを縫いつけた。

これが功を奏し、足のバタバタ音はだいぶしなくなったので、本当は裸足で生活したほうが足にはいいと思うのだけど、息子にはスリッパ着用命令を出した。

まだご挨拶に行けていないのが一番大きい部分ではあるものの、子どものドタバタする音にいちいち目くじら立てるのもなんだか神経がすり減るし、子どもも変に遠慮している日もあるので、本当なら自由にさせてあげたい。

しかしそもそも、マンションの1Fの何が耐えられなかったかって、家具から何から全部カビたことがこの引越しの発端だったので、こればかりは仕方ない。

かといって我々の収入で都内に戸建なんて買えるわけもなく、エリアが変われば保育園問題でまた大騒ぎなのだ。現実はなかなかに厳しい……。

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ちなみに、ひとつ前の引越しの時は妊娠中で、働きつつ帰ってきてひとりで荷造りして……という、なかなかに孤独でしんどい作業であった。重いもの持てないしお腹が張るから当日は完全に役立たずだったし。

本来ならば、結婚前にちゃんと貯金をし、程よい大きさの住宅を購入し、子どもができるのに備えるのがベストだとは思うのだ。
しかし、そんなうまいこといかないのが人生というもの。

もし妊娠中や乳幼児が家にいる状態で引越しすることになったら、多少高くても全部やってもらったほうが何かと安心だろう。

結論、「子連れの引越しには“丸ごとパック”」。


ワシノ ミカ
1976年東京生まれ、都立北園高校出身。19歳の時にインディーズブランドを立ち上げ、以降フリーのデザイナーに。並行してWEBデザイナーとしてテレビ局等に勤務、2010年に長男を出産後は電子書籍サイトのデザイン業務を経て現在は日本テレビグループ・LIFE VIDEO株式会社のデジタルコンテンツ全般を担当。

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