日本人だけ!?世界では「家族・友人より“仕事”優先」が常識じゃない

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2013年07月09日 16:40  スタディサプリ進路

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「働く」ことに対して高校生はどんなイメージをもっているだろうか?なかには、自分の親が毎晩遅くに帰ってくるのを見ていて、「仕事って大変なんだなぁ」と感じている高校生もいるのでは? 確かに社会に出て働くのは大変なこと。しかし、それにしても「日本人は働きすぎ」とよく言われるのも事実だ。 ほかの国と比べてみよう。下に示したのは世界各国の有給休暇(※)支給日数&消化日数。スペインやブラジルは平均すると有給休暇が年間30日支給されて、100%消化している。これに対して、日本は13日支給されて、消化日数はわずかに5日。日本より有給休暇の支給日数が少ない国はあるが、消化率の低さは日本がダントツ。日本人は、休んでいいのに休まないのだ。 ---------------------------------------------- 「有給休暇国際比較調査2012」出所/エクスペディア ジャパン ---------------------------------------------- 国 …使用された有給数/支給された有給数 スペイン…… 30/30 ブラジル…… 30/30 ドイツ…… 28/30 イギリス…… 25/25 イタリア…… 20/28 アイルランド……20/21 インド…… 15/20 シンガポール……14/14 マレーシア…… 13/14 アメリカ…… 10/12 台湾…… 10/10 韓国…… 7/10 日本…… 5/13 -------------------------------------- ※有給休暇:土日祝日以外に労働者が好きなときに取得できる休暇。休んでも給料は減らされない 「日本では働きすぎによる“過労死”が問題になっていますが、これに該当する言葉は海外にはありません。そのまま『Karoshi』と訳されています。また、日本では“家族・友人より仕事優先”という考え方が珍しくありませんが、これも海外の多くの労働者にとって理解しがたい面があるようです」(法政大学キャリアデザイン学部/児美川孝一郎教授〈以下同〉) 欧米にも仕事人間はいるにはいるが、あくまでエリート層など一部に限られる。日本の場合は、働く人の多くに“仕事優先”の考え方が根強く浸透しているところが世界の中でも特殊なのだと児美川教授は指摘する。 この特殊な仕事観が生まれる背景の一つが、海外と日本との“雇われ方”の違い。 「海外では“ジョブ型”といわれる、職務の範囲が決められた雇用が一般的。これに対して日本は、会社という組織の一員になる“メンバーシップ型”の雇用が中心になっています」 例えば、ジョブ型は自分の仕事が終われば帰るのが当たり前。一方、メンバーシップ型は、仕事の範囲が曖昧で、自分の仕事が終わっても同僚の仕事を手伝うために残業することが珍しくない。メンバーシップ型は個人の都合よりも組織優先になりやすいのだ。だから「みんなが休んでいないのに…」と気を使って有給休暇も取りにくくなる。 もちろん「仲間と助け合って働くほうがいい!」と考える高校生もいれば、「自分は仕事よりも家族を大切にしたい」と考える高校生もいるだろう。一概にどちらがいいといえる話ではないが、選択肢は複数あったほうがいいはず。 「日本でもジョブ型の“限定正社員”制度を導入する会社が増えるなど、少しずつ環境は変わりつつありますね」 今の高校生が社会に出るころには、会社や職種に加えて、“雇われ方”も選べる時代になっているだろうか?

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