面接は日本で!? 『ハーバード大学』入試の真相
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2013年07月16日 10:40 スタディサプリ進路
高卒後の進路のひとつとして海外大学の注目度がアップしているが、「現地まで受験に行くの?」「いつから準備を始めればいい?」などというように、受験のしくみやスケジュールはあまり知られていない。
そこで、早稲田塾 (http://www.wasedajuku.com/)「海外進学・留学館」の高橋亮講師に、ハーバード大学を例にあげて受験プロセスを教えてもらった。
ハーバード大学の出願時期は11月〜12月末。日本の大学の一般入試よりやや早い程度だが、「出願の意味合いや必要な準備は日本と大きく違う」と高橋講師。日本の大学の一般入試は出願後の試験で合否を決めるが、アメリカの大学はむしろ出願前が勝負。出願までに各大学が課すエッセイを作成し、必要なテストを受けて結果を得ておく必要がある。
出願時に提出するものは大きく3種類。それぞれ3分の1の比重で評価されるという。いずれも直前の数カ月間で対策できるものではなく、早い時期からの準備が必要となる。
(1)英語による試験
出願には、日本のセンター試験のような位置づけのSAT(Scholastic Assessment Test)と、英語でのコミュニケーション能力をみるTOEFL(R)の点数が必要。SATは年7回、TOEFL(R)は月3〜5回受験できるので、各自で受験しておく。
「2つとも英語による試験なので、かなりの英語力が求められます。しかし、SATの配点の3分の1を占める数学は、日本の中学生レベル。英語で書かれた問題を正確に理解できるよう、用語をおさえておけば高得点が期待できます」(高橋講師、以下同)
(2)エッセイ
これまでどんな活動をしてきたか、学ぶことへの情熱、志望大学がいかに自分に合っているかを自分の言葉でアピールする。
「コンテスト入賞やボランティア活動などの課外活動に取り組んできたことがエッセイの材料になります。今年度ハーバード大学に合格した教え子は、ベトナムで行ったボランティア活動について書いていました」
(3)高校の成績
高1から高3の1学期までのすべての成績が対象となる。
「高3になってから慌てて受験勉強を始めるのではなく、高1からまじめに取り組んできた人は有利でしょう」
これらの出願手続きはすべてインターネットで行うことができる。
また、上記の出願書類の選考をクリアすると任意で面接が行われるが、これも日本国内で受けられる。面接者は日本に住むハーバード大学の卒業生。受験生と年齢が近い20代後半の卒業生が行うケースが多いという。このように、日本にいながら受験のすべてを行うことが可能なのだ。
「ただし、実際に大学を訪れれば『ここでこんな勉強をしたい』という気持ちは高まるでしょうし、その熱意はエッセイにはっきり表れるので評価にも影響するかもしれません。また、合格したら4年間通う場所ですから、実際に自分の目で確認しておいたほうがいいでしょうね」(高橋講師)
日本の大学では1度の試験の結果がすべてだが、ハーバード大学をはじめとするアメリカの大学ではその人がやってきたことを長期的な視点で総合的に評価する。「東京大学に受からなくても、世界ランキング上位のハーバード大学に受かることは十分にありえる」と高橋講師。
実は、世界ではハーバード大学のような選考方式が標準的。勉強はもちろん、さまざまな活動に積極的に取り組んでいる人は、海外に目を向けると選択肢が広がるかもしれない。キミも挑戦してみる?
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