女子のオス化と男子の草食化、どっちが先？

昨今、ちまたでは「男子は草食化し、女子はオス化している」などとよく言われていますよね。「オス化女子」は、私自身も実感しているところです（苦笑）。 そこで、ハタ！と気になったのが、「卵が先か、ニワトリが先か」という話。つまり、女子がオス化したから男子が草食化したのか、それとも男子が草食化したから女子がオス化したのか、どちらが先なんでしょう！？ そこで20〜30代の男女に、「どちらが先だと思う？」と聞いてみたところ、女子は58％、男子は51％の人が「女子が強くなったから、男子が弱くなった。つまり女子の変化が先だと思う」と回答。男女とも「女子のオス化が先」と感じているという結果が出ましたが、専門家はどう思っているのでしょう？男女の消費動向や恋愛事情に詳しい、マーケティングライターの牛窪恵さんに聞いてみました。 「私が取材等で得た情報で言えば、男子の草食化が先です。若い男性が恋愛に消極的になっていると気付いたのは2006年のこと。企業から『20代の男性に車が売れない』と相談を受け、調査を進めたところ、『車はカーシェアリングがあるから、わざわざ買う必要はない。欲しいとも思わない』という。若い男性の所有欲自体が低下していると感じました。さらに詳しく意見を聞いてみると、所有欲の低下は実は恋愛観にも通じていて、人と深く関わり、それを維持するのが面倒くさいというのです。なお同時期に、20代女性にも取材をしましたが、『最近、男性側から告白してくれないし、付き合うことになっても手も握らない。デートでは必ず割り勘。どういうつもりなんだろう！？』という不満の声が数多く聞かれました。この段階では、女性はまだ、男性の変化に戸惑っている状況。その後、『男子がこんな状態なら、我々がリードするしかない』と、女性側も変化したのだと考えられます」 なるほど〜！2006年には男子の草食化が始まっていたのですね。そして、そんな男子に、女子は「オス化せざるを得ない」と感じたのですか…。では、そもそもなぜ、男子が急に草食化したのでしょう？何か原因があるのでしょうか？ 「一つは、経済的な要因。20代男性の場合、物心ついたときから日本は不況でした。労働環境は悪化の一途で、頑張ってもなかなか正社員になれないし、給与も上がらない。男性が自信を持ちにくい世の中であり、そんな環境が彼らを消極的にしているのだと考えられます。もう一つ考えられるのは、母親の影響です。彼らが生まれた頃は、世の中はまだバブルの真っただ中。父親は仕事が忙しく、家を空けがちな一方で、母親は子どもを生きがいにし、大事に大事に育ててきました。そんな母親に育てられた男の子は、素直で優しく、母親思い。『お母さんを悲しませたくない』という思いから、恋愛に積極的になれないというケースも多いようです」 なんと…経済環境はともかく、お母さんの影響は根深そうですね（汗）。この傾向って、今後もどんどん強まるものでしょうか？ 「いえ、多少揺り戻しがあると見ています。10代後半から20代前半の男性の親世代は、バブル時代に青春を過ごしました。女性を喜ばせるため、男性がマニュアル雑誌を駆使してデートの計画を立て、恋愛の主導権を握ってきたという世代です。そんな父親の影響を少なからず受けているため、能動的で女性をリードする男性も増えるのではないでしょうか」 なるほど〜。時代によって男子の草食度合いも変わってくるのですね。勉強になります！ 男子の草食化の影響で、女子が強くならざるを得なかった…ということは分かりましたが、男子のせいで「女らしくなくなった」と言われるのは何だか悔しいっ（笑）。今の時代、男子の変化にあわせてオス化するより、女らしさを磨くことで草食系男子をハッとさせ、その気にさせる…ぐらいの気合いが必要なのかもしれませんね。 【取材協力】 牛窪 恵さん インフィニティ代表取締役・マーケティングライター。著書に、『草食系男子「お嬢マン」が日本を変える』（講談社）、『【年の差婚】の正体』（扶桑社）、『男が知らない「おひとりさま」マーケット』『独身王子に聞け！』（共に日本経済新聞出版社）ほか、多数。近著はまさに「オス化女子」を描いた『アラフォー独女あるある！図鑑』（扶桑社）。「ホンマでっか！？ＴＶ」（フジ系）ほか、テレビ番組でコメンテーター等も務める。 【データ出典】 恋愛と日常生活に関するアンケート　2013/7/18〜7/19実施 （インターネットによる20〜30代男性へのアンケート調査　調査機関：マクロミル）