【レポート】中高生がIKEAやH&Mでのワークショップで得たものは?

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2013年09月03日 13:01  スタディサプリ進路

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スタディサプリ進路

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■“持続可能な社会”を考えるサマーキャンプ 高校生のみんなは、世界的なファッションブランドのH&Mが、衣料のリサイクルに取り組んでいることを知っているだろうか? また、スウェーデン家具のIKEAが、生産・販売の全プロセスにおいてゴミ削減や省エネを考えているだけでなく、さまざまな復興支援を行っていることを知っているだろうか? 夏休み中の8月18日〜21日、これらの環境問題や社会問題に取り組む企業の見学やワークショップを取り入れた、サマーキャンプ「ESDフォーラム 2013 – サマーセッション」(主催:持続発展教育振興機構、共催:こども国連環境会議推進協会)が中高生60人を対象に開催された。 ESD(Education for Sustainable Development)とは、環境破壊や資源保全が問題化されている現代において重要性が高まっている、持続可能(サスティナブル)な開発のための教育のこと。このキャンプでは、持続可能な社会づくりに向けた先進的な取り組みをしている企業との協働ワークショップ等を通し、将来の社会と自分自身との関係を見つめる機会を得ることと、世界がおかれた状況を学びながら課題を解決する力を身につけることを目的にしている。 プログラムの中心は2日間にわたるコース別協働ワークショップだ。 コース1「環境と人間」では、株式会社エコトワザのワーク(釘や接着剤を使わずに棚や椅子を作ることができる木材キット「組手什(くでじゅう)」の組み立て)を通じて日本の森林問題について考察したり、J-POWER磯子火力発電所を見学して将来のエネルギー政策について考えたりした。 コース2「社会と人間」では、環境先進国といわれるスウェーデンが発祥の企業2社、イケア・ジャパンとH&Mを訪問。環境負荷を考慮した企業の取り組みについて学んだ。 ■今後の高校での活動や将来像に影響 このプログラムのポイントは、4日間の“イベント”で終わりではなく、「9月以降に何をするか?」まで考えさせ、今後の日常生活での取り組みにつなげる点だ。 最終日の全体会では、まず各コースで学んだことを共有したあと、「自分たちにできることは何か?」について議論。参加者からあがった「エネルギー問題」「古着リサイクル」「森林問題」「途上国の教育支援」「グリーンコンシューマー(できるだけ環境に配慮した製品を買うことによって社会を変えていこうとする消費者)の育成」といった5テーマのチームに分かれて、自分たちにできることを考え、アイデアを発表し合った。アイデアは、自分一人が行動する自己完結型ではなく、エコに関心の低い中高生にも働きかける巻き込み型の企画となっている。 話し合いには大学生中心の事務局スタッフやサポーターも入り、和気あいあいとした雰囲気の中、中高生も臆することなく発言や提案を行っていた。 参加した高田玲奈さん(高2)は、学校でも環境問題に取り組むプロジェクトを行っている。このキャンプに参加したことで、新たな具体策も見えてきた。 「やってみたいことはいろいろあります。例えば、今回のキャンプで一緒になった他校の友達とも連携して、学校で古着の回収などを行う新しいプロジェクトを始めたいと思っています。できたらH&Mさんとも提携したいですね」(高田さん) また、森重真純さん(高1)は、これまではあまり環境を意識したことはなかったという。 「ぼくはエコトワザという会社を知らなかったのですが、そのエコの技術の高さに興味をもち、そうした日本のエコ文化を海外に発信している点に感動しました。今まで自分の将来についてコレというものがなかったけれど、こういう仕事もいいかなと。選択肢が増えたようで、参加してよかったです」(森重さん) キャンプを開催した持続発展教育振興機構と、こども国連環境会議推進協会は、今後も11月にフェアトレードをテーマにした1Day イベント、3月下旬に2泊3日のスプリングセッションを開催する予定だ。興味のある中高生は今後のこども国連環境会議推進協会(JUNEC)のウェブサイト (http://junec.gr.jp/)をチェックしよう。

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