第六天魔王は信長だけの呼び名じゃなかった? 〜日本史の大きな謎に踏み込んだ『神剣の守護者』

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2013年11月26日 13:52  BOOK STAND

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カプコンの大人気アクションゲーム「戦国BASARA」。毎シリーズに登場しては、独特の存在感を放っているのが「第六天魔王」こと織田信長です。史実においても宣教師フロイスが、信長がそう名乗った手紙を武田信玄に送ったことを報告しています。

実は日本史で、「魔王」と民衆に呼ばれた人物は、信長だけではありません。信長より200年も前に「第六天魔王」を名乗った人物がいました。それが、南朝の初代天皇・後醍醐天皇です。

そもそも「第六天魔王」とは、仏教で欲望にとらわれた生物が住む世界「欲界」の悪魔。他人の楽しみを自分の楽しみとして受け取る力を持つとされている、欲界六天の一人です。日本では、恐怖政治を敷いた為政者などを、大衆がそのように呼んできた歴史があるという人もいます。

そんな織田信長を新しい視点から描き出す時代小説が、11月22日に発売された智本光隆著の『神剣の守護者』。後醍醐天皇の死後、神器「草薙剣」を守護してきた楠木家が、後醍醐天皇と同じ第六天魔王を名乗る信長を、天下人にふさわしい人物か見定めていく物語です。

楠木家の末裔である主人公・楠木正具は、こんなふうに語ります。

「欲を持ち、快楽を得て、そして民にも同じ幸福を与えるのが、王者たるべき者・・・・・・そう信じて戦われた御方が、後醍醐天皇であったそうな。故に死する時とて、神剣を胸に抱いて逝かれた」

そんな正具は信長に接近する中で、彼の部下にとても欲深くて人間味のある、猿のような顔をした男がいるのを発見します。そこから先は、読んでのお楽しみ。"なぜ信長は天下を取れず、秀吉が天下を取ったのか"という、日本史上の大きな謎に踏み込んでいきます。

なお、日本では古くから、実は第六天魔王を祀る民間信仰も盛んだったようです。欲望で人を誘惑する魔王は、転じて人々の間では不老長寿や快楽を充たす神様でもあったのでした。


『神剣の守護者』
著者:智本 光隆
出版社:学研パブリッシング
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