もうだめだ?まだいける? 簡単なテストで知る「脳のクセ」

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2013年12月12日 07:11  BOOK STAND

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【問題】ダイエット中のあなたは、ヘルシーな肉団子を作るべく、スーパーへ向かいました。
そこには、二種類のひき肉があります。さて、あなたならどちらを選びますか?

ひき肉A──脂身25%
ひき肉B──赤身75%

唐突な質問ですが、これはいわゆる「認知バイアス」という"脳のクセ"をテストするもの。出題しているのは、書籍『自分では気づかない、ココロの盲点』の著者であり薬学博士の池谷裕二氏です。同書では認知バイアスをドリル風に解説しており、小難しい専門書が苦手だという人も、スラスラ読めてしまう絵本のような解説本となっています。

上記の質問に多くの人はBの「赤身75%」を選ぶのではないでしょうか。どちらのひき肉も、赤身と脂身の比率は75:25と同じですが、脂を避けたい気持ちからか、人はBを選ぶのです。

「同じ状況であっても、わずかに表現を変えるだけで、ずいぶんと印象が変わります。たとえば、苦境に立たされたとき、『まだいける』と思うか、『もうだめだ』と思うかでは、展望に大きな差が生じます。これは教育や医療の現場でも重要です。生徒に『まだ半分しか理解できていないのか』と言うより、『半分は理解できるようになったね』と言ったほうが自信を与えますし、患者に『まだ週に一度しか外出できません』と言うより『週に一度は外出できるようになりましたね』と言う方が希望を与えます」(池谷氏)


その他にも、脳のクセをテストするような身近な問題が出題されています。

【問題】前評判の高かった映画のチケットを1500円で購入したあなた。しかし、鑑賞前に自分のテイストに合わない映画であるということが判明しました。その時、あなたがとる行動は?

(1) それでも映画を見に行く
(2)映画を見に行くのをやめる

この2択の中から、(1)の「映画を見に行く」を選びがちなのが脳のクセです。しかし、(1)を選ぶと1500円のチケット代分の料金だけではなく、映画を鑑賞したことによる時間までも奪われてしまいます。一方、(2)を選んだ時の損失は、チケット代1500円のみにとどまります。

それでも、(1)を選んでしまうのが人というもの。そこには、「払った1500円がもったいない。元を取らなければ」という気持ちが働くからのようです。人は、自分の努力が失われることを惜しむあまりに、手を引くタイミングを逃しがちになるのです。

「なかなか別れられない『ズルズルカップル』にも同じ原理が働いているにちがいありません」と池谷氏。この「元を取らなければ」という気持ちに心当たりはありませんか? 「脳のクセ」とよく相談することで、よりよい決断ができることでしょう。


『自分では気づかない、ココロの盲点』
著者:池谷 裕二
出版社:朝日出版社
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  • ヘルシーなハンバーグなら豆腐でいいだろ。
    • イイネ!1
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