花粉症に効く、眠くならない漢方の種類

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2014年01月28日 15:20  JIJICO

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日本では、約60種類の植物により花粉症を引き起こす


花粉シーズンが近づいてきました。花粉症は、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となってアレルギー症状を起こす病気です。花粉の飛ぶ季節に症状が起きるため、「季節性アレルギー性鼻炎」と呼ばれています。日本では、スギ、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサ、シラカバなど約60種類の植物により花粉症を引き起こすと報告されています。


くしゃみ、鼻水、鼻づまりだけでなく、目のかゆみ、なみだ、充血などをともなうことが多く、喉や皮膚のかゆみ、下痢、熱っぽい、といった症状が現れることもあります。一年中、症状が出る場合は「通年性アレルギー性鼻炎」と呼ばれ、花粉以外に、ダニ、ハウスダスト、昆虫、ペットの毛・フケなどに対してアレルギーが起こり、喘息やアトピー性皮膚炎などを合併することもあります。


鼻水サラサラ、鼻が詰まる、喉や鼻の粘膜が腫れる。症状別の漢方


花粉症は、漢方では「 溢飲(いついん)の病」といって、体の余分な水分が外へあふれ出る病とされています。水毒体質で体に余分な水分を抱えた冷え性の人が多く、体質改善に使用する漢方薬と、くしゃみや鼻水といった寒証型の症状を改善する漢方薬で対応します。よく使用されているのは、小青龍湯(しょうせいりゅうとう)、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)。これらは、主に体が冷えやすく鼻水がサラサラの人に効果的で、体を温めて鼻汁を減らす生薬が用いられています。


鼻が詰まってくる場合は、葛根湯加辛夷川芎(かっこんとうかしんいせんきゅう)や辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)などを処方します。喉や鼻の粘膜が赤く腫れてくる慢性炎症であれば、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)なども使用します。漢方薬は眠くならないので、ビジネスマンや受験生に喜ばれています。


スイーツを控えると、漢方薬の効きも良くなる?


スギは、恐竜の生息した時代に登場した起源の古い植物群です。奈良・吉野地方には昔からたくさんのスギがありますが、花粉症患者が特に多い地方でもありません。となると、花粉症が増え、治りにくいのは「現代人の体質の変化」と考えられます。


スイーツ(洋菓子・和菓子・果物)の食べ過ぎは、水毒体質にもつながります。水毒体質を改善することが、アレルギーを改善する近道です。花粉症の人は、花粉が飛び始める前から極力、スイーツを控えてみてください。きっと、漢方薬の効きも良くなるでしょう。



(松原 一彦・漢方薬・生薬認定薬剤師)

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