男はつらいの? 父親たちの葛藤を慮ってみる

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2014年01月30日 10:00  MAMApicks

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夫が転職した。ステップアップ、キャリアアップを目的に。

今年から働き出した新天地は想像以上にレベルの高い職場だったようで、並々ならぬプレッシャーを感じているみたいだ。
今はとにかく自分の技術力の研鑽のために、定時後は勉強してから帰ってくる。帰ってきてからも食事が済んだらまた勉強する、そんな日々。


私は私で日中、ずっと娘とべったりなので、大人と会話しないと調子が狂ってしまいそうになるし、夫の帰宅後は、一緒にお茶でも飲みながら、とりとめもない話をしたいのだが、娘が夜中もたびたび起きることもあり、早めに布団に入らないと体がもたない。

あと、一度布団に入ってしまうとなかなか出たくない季節でもあり……。なので、娘を寝かしつけたあとは、洗い物など最低限の家事をしたら、夫の食事をお皿に乗せてラップをかけて、寝る準備。夫には、帰宅したらラップのかかったお皿を温め直して晩御飯を食べてもらうのが、習慣になりつつある。

平日がそんな感じなので、土日は夫もとにかく娘と触れ合いたいらしく、お風呂に一緒に入ったり、散歩をしたり、できる限り娘との時間を作ろうとしてくれている。

日曜の晩、娘を寝かしつける段で、「あ〜。またこれから平日、起きてる姿を見られなくなるな〜……」と、半ば諦めたように笑っていたが、きっと本当はすごく淋しいんだろうな、というのが伝わってきた。

父親も育児に参加を、ワークライフバランスの見直しを、などと声高に叫ばれるようになって久しいが、そうは言っても「定時で終業してまっすぐ帰宅」なんてことができる男性はそういないんじゃないだろうか。

勤務時間内に物凄い集中力でパフォーマンスの高い仕事をこなし、定時になったら「ハイ、お疲れ様でした!」と会社を後にできる男性。もちろん、なかにはいるのだろう。1%くらいはいるかな? もっと多い?それとも少ない?

それができたとして、堅調に毎年給与が上がり、難なく昇進ができるかと言ったら、やはり難しい。自分の能力以上の仕事をして初めて評価を受け、認められるのだろう。そのためには、やっぱり残業だったり休日出勤だったり資格試験の勉強だったり、定時外の仕事ないしは勉強が必要、というのが現実なんじゃないだろうか。
それがあるべき姿であるかどうかはこの際置いといて。

マネジメントが悪い、とか業務改善を、とか問題点を指摘することは簡単なのだけれど、指摘しても目の前にあるタスクが減っていくわけでも、誰かが代わりにやってくれるわけでもない。


ステップアップ、キャリアアップを目指すことがすべてではない、そんなことしなくても、日々生活できるだけのお給料がもらえるだけの仕事をして、プライベートを満喫する。それも素晴らしい選択肢で豊かな人生だ。

だけど、夫がステップアップを望んでいるのなら、私としてはやはり応援したいと思ってしまう。大した力にはなれないどころか、先に寝ちゃってるような有様だけど。


一昨年の夏くらいだったか、ある女性タレントがブログで、「子育てがしんどい、どうして女性ばかりこんなしんどい想いをしなくてはいけないの?」とぶっちゃけたことが話題となった。

その頃から母親たちの、「もっと声を大にして主張していこう」みたいな動きがネット上や、テレビ番組でも盛んになってきたように思う。かつてのウーマンリブのように。

朝の情報番組やワイドショーではしょっちゅう、「もう一度“イクメン”を考える」とか、「イクメン幻想」といった特集が組まれ、女性側からの結構な言いっぷり、その熱量に「みんな相当不満溜まってるんだな……」と圧倒されるばかりだった。

女性側の言い分も分かるのだ。私だって夫に不満がまったくないわけではないし、番組やネットでの事例を見ると、「こりゃないわ〜!!!」と呆気に取られたりもする。本当に育児に非協力的だったり、妻に対して理解のない男性もいるんだろうと思う。

だけど、その一方で、「こんなに糾弾して、本当は育児に協力したいなと思っている男性の気を削いでしまわないか?」と心配になったりもする。

まあそのテの番組は、会社員の出社時間以降に放送してることが多いから、男性の耳には届かないのか。……だとしたらいいのだろうか?ハテ。


私も母親としてのしんどさ、つらさを、子どもが生まれてからのこの1年あまりで人並みには経験してきたつもりでいるし、同じように子育て中の友人と会うと、会話の大半は子どものこと。近況報告から情報交換、ちょっとした愚痴や笑い話、たまに笑えない話。

母親同士のつながりや救済措置はどんどん増えているのに対して、父親の淋しさや後ろ髪を引かれるような想いをすくう場やネットワークって、あまり聞かないよなあ、とふと思った。パパ友っていうものもあるよと知人から聞いたことはあるけど、まだそんなに市民権を得た言葉でもなさそうだし。

私たち子育て世代の男性は、「男は企業戦士として仕事に邁進、家庭や育児など顧みなくてよし!」なんて考えに毒されていないはず、と何となくの感覚で分かる。少なくとも親世代よりはずっと。

でも、どうしても仕事に穴をあけられない時もあるし、自分の思いだけでは仕事のスケジュールがやりくりできない場合も多々ある。そんな時、父親たちもきっと葛藤しているのだ。このままでいいなんて思ってはいないだろう。

私が四六時中娘といる時間、夫が週末だけ娘と過ごせる時間、足して2で割れたらどんなに理想的だろうと思うのだけど、そう簡単にはいかない。

それが実現する頃には子育てが終わってる、なんてことにならないようにしたいが……。
もう少し暖かくなったら3人でどこかのんびり旅行したいな、なんて思いながら、娘と添い寝する日々を過ごしている。

真貝 友香(しんがい ゆか)
ソフトウェア開発職、携帯向け音楽配信事業にて社内SEを経験した後、マーケティング業務に従事。高校生からOLまで女性をターゲットにしたリサーチをメインに調査・分析業務を行う。現在は夫・2012年12月生まれの娘と都内在住。

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