「飲みニケーション」で上司が気をつけるべきこと

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2014年02月03日 13:10  JIJICO

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JIJICO

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 宴会で食事やデートにしつこく誘うのもセクハラに


これから企業の歓送迎会のシーズンを迎えます。会社仲間での飲み会では、気をつけておくべきことがあります。それは宴会でのセクハラ・パワハラの問題です。


「今日は無礼講」と言っても、はめの外し過ぎには注意が必要です。不必要に体を触ったり、性的な自慢話や下ネタ話、相手に対して個人的なことを執拗に聞き出したり、食事やデートにしつこく誘うなどは、すべてセクハラ行為です。


セクハラを行った人が「飲み過ぎで覚えていない」「冗談でした」と後から取りつくろっても、受け手側が不快に感じ、セクハラだと認識すると不法行為となる場合がありま す。企業には、男女雇用機会均等法によって、セクハラ防止の配慮義務が課せられているので、使用者責任を追求され、損害賠償責任が生じることも十分にあり得ます。


大声で叱責したり、物を投げつけたり、パワハラ行為にも注意を


また、上司が部下に対し「宴会の席で大声で叱責する」「物を投げつける」「足で蹴る」「胸ぐらをつかむ」「裸踊りを強要する」「給料泥棒、目ざわりなどと人格を否定する」というような言動はパワハラ行為にあたります。


上司が注意・指導と称し悪意がなかったとしても、侮辱・暴言などの精神的攻撃や、隔離・無視、遂行不可能な過大業務の強制、逆に仕事を与えないなどのいじめ・嫌がらせは、業務の適正な範囲(社会通念上相当な行為)を超えるものであり、暴力行為はもってのほかです。こちらも立証されれば不法行為になることがあります。


楽しい飲み会が事業存続に大きなダメージに


セクハラ・パワハラが原因でメンタルヘルスに悪影響をおよぼし、うつ病などの精神疾患を発症して労災認定される人も増加しています。 また、従業員が心の健康を害するだけでなく、職場の雰囲気・生産性の悪化、それにともなう人材の流出なども懸念されます。さらに、不法行為責任や安全配慮義務違反といった法的責任を問われて、訴訟による金銭的負担の発生、企業イメージの低下と、事業存続に大きなダメージを与えることも考えられます。


これらをしっかりと理解・認識をして、参加する全員が楽しい気分になれる宴会を催してほしいと思います。



(石倉 伸一・社会保険労務士)

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