不動産投信市場、消費増税後も拡大続く?

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2014年02月03日 15:00  JIJICO

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不動産投信の配当利回りは3.6%。魅力ある投資として拡大


不動産投資信託とは、「手軽にビルのオーナーになれて、家賃収入が入る」仕組みです。ワンルームマンションや、マンション1棟を買い取って他人に貸し「安定的に家賃収入を得る」って魅力的な響きだと思いますが、いかんせん元手が要ります。最低でも数千万円の投資となるでしょう。また、ローンを組んで投資をしたところで、物件の維持コストに加えて金利負担をしてまで収益が上がるのかというと、物件によっても収益性にはかなりバラツキがあり、なかなか素人には手を出しにくいものです。


しかし、不動産投信は、たくさんの投資家の資金を集めて「ファンド」として不動産に投資をするので、少額の投資額で都心部のオフィスなどの家賃収入を得ることができるのです。現在、東京証券取引所に上場されている不動産投信は、42銘柄。家賃に相当する配当利回りは3.6%(昨年末)です。日経平均株価の平均配当利回りが1.5%程度であることと比較しても、魅力ある投資対象です。株式市場に上場されているので、ネット証券などを利用すれば、安いコストでワンクリックで売買できるという利便性もメリットです。


長期的には人口動態が不動産投信の投資見極めには欠かせない


リーマンショック以後、低迷していた基準価格もアベノミクスを受け順調に回復しています。インフレ目標2%を達成するまでは金利も抑制される見通しなので、借入をおこし不動産を購入運営する不動産投資にとっては、プラスの要素です。今後の国家戦略特区などの政策も不動産市場にとっては追い風となるでしょう。日銀が不動産投信の買い入れを行っていることも下支えです。


とはいえ、マーケットの行方は誰にも予測がつかないものです。また、不動産投信42銘柄のうち、オフィスに投資をするものもあれば、住居、あるいは物流倉庫、ホテル等に投資をするものもあり、投資先もバラエティに富んでいます。当然ながら、それだけ投資対象に違いがあれば市場の評価も異なるわけですから、実際に投資を行う場合は研究も必要です。オフィスの需要という面では、都心部にどうしても注目が集まりがちですが、東京都内であっても今後の開発は地域差があるでしょうし、長期的には人口動態が不動産投信の投資見極めには欠かせない要素となります。


いずれにしろ、配当利回りの高さに注目すれば、長期投資に向いた投資対象となりますので、これからじっくりと資産形成を行っていく若年層にとっても欠かせない投資のひとつかと思います。投資に対し足踏みをしていないで、リサーチしてみる価値は大いにあるでしょう。



(山中 伸枝・ファイナンシャルプランナー)

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