急な依頼に慌てない「弔事」マナー

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2014年02月11日 13:10  JIJICO

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JIJICO

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弔事は、告別式で故人の冥福を祈って捧げる言葉


先日、国民的アニメ「サザエさん」の波平役で親しまれた声優の永井一郎さんが急死。葬儀では、サザエさん役の加藤みどりさん、カツオ役の冨永みーなさんが役柄になりきって弔辞を述べました。


少子多死社会が進展し、葬儀に参列する機会は増加傾向にあり、急に弔辞を依頼されるケースも十分予想されます。「備え有れば憂いなし」。弔辞のマナーを心得ておきましょう。弔事は、告別式において故人の冥福を祈って捧げる言葉で、故人と親交が深かった人が選ばれます。したがって、遺族から弔事をお願いされたら、信頼の証と受け取り、できる限り「私でよろしければ」と引き受けましょう。


耳に素直に入ってくる「口語調」で。800字〜1200字が目安


弔辞は、故人への哀悼の意と遺族への弔意を文章にして、それを読み上げる形をとるので、「話し言葉」より「書き言葉」による挨拶になります。しかし、格調高い文語調より、故人に語りかけるような、耳に素直に入ってくる「口語調」がオススメです。自分にしか語れないエピソードなどを加味してください。


ボリュームは進行係との打ち合わせも必要ですが、おおむね3分前後、800字〜1200字位が目安です。内容は「呼びかけの言葉」「故人と自分の関係」「故人のエピソード、人柄、業績など」「故人に対する感謝の言葉」「遺族・同僚など、あとに残された者の決意」「故人の冥福をお祈りする結びの言葉」などを、故人に合わせて順に織り込んでください。例えば「天寿を全うしたのか」「薬効の甲斐なく故人になったのか」「突然の死なのか」などにより、表現の仕方は異なってきます。いずれも遺族への配慮をお忘れなく。


遺影に向かって故人に語りかけるようにゆっくりと読む


作り方は、巻き紙に薄墨で毛筆書きして、それを奉書紙で包み「弔辞」と表書きしますが、略式で、白無地の便せんに黒いペンで書き、白い封筒に納めても良いでしょう。ただし、二重封筒は「不幸が重なる意味」になりますから使用しないでください。


進行係から指名されたら静かに立ち上がり、祭壇の前に進み、遺族や参列者に一礼して、祭壇に向き直り遺影に一礼します。次に弔辞を取り出し、自分の胸から目の高さくらいにかかげ、遺影に向かって故人に語りかけるようにゆっくりと、かつ低いトーンで、時おり顔を上げて遺影を見ながら読んでください。読み終わったら包み直し、表書きを遺影に向け祭壇にお供えし、一礼して席に戻ります。


自分の言葉で、故人の死を悲しみ、悼む気持ちを表現


お供えした弔辞は遺族が記念に保存するくらい大切なものであると同時に、厳粛な儀式の最中に読み上げるものですから、ある程度は慣用句も必要で、弔辞のサンプルも多々あります。しかし、それにこだわりすぎないで、自分の言葉で、故人の死を悲しみ、悼む気持ちを素直に表現することが何より大切だと考えます。


最後に、遺族から依頼がなくても、弔辞を述べたい強い意思がある場合は、できる限り早めに喪家にお願いしてください。承諾されたら、自ら望んでいるだけに、ほとばしる思いが参列者の心に響くことでしょう。



(平松 幹夫・マナー講師)

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  • 弔辞なのか葬儀一連なのかはっきりしてから書けよ 弔事などという言葉は知らん 校正しっかりしろよ
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