中高年も悩む便秘に効く漢方の力

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2014年03月13日 13:10  JIJICO

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JIJICO

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若い女性だけじゃない。中高年にも増える便秘


体から健康状態を知らせてくれる「大きな便り」お通じ。便秘というと、若い女性のイメージがあるかもしれませんが、最近では中高年の人にも増えています。若い人の便秘の原因は「生活習慣」が多いのですが、中高年では、それだけではなく、内臓機能の低下や便を押し出す腹筋の衰えにより、腸がたるんで便意を感じにくくなったり、便を送り出す力が低下したりすることもあるようです。


便秘になった場合、とりあえず市販の下剤で出そうとする人がほとんどなのではないでしょうか。市販薬で使用されている便秘薬の成分は、化学薬品の「ビサコジル」という腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進させる成分を含んでいることが多いようですが、これは刺激性が強く習慣性があるため、アメリカなどでは販売が中止されることもあり、使用方法には注意が必要です。


そこで、今注目を集めているのが漢方薬です。漢方薬の良いところは、問診などを行って、その人の症状に合ったものを出せること。また、便秘だけではなく、それに付随してあらわれる様々な体の不調にも良い効果を出してくれます。


漢方薬選びで大切なのは、便秘の原因を考えること


「便秘」もしくは「便秘症」に、効能がある漢方薬は、かなりの数があります。代表的な方剤では「大黄甘草湯」「大黄牡丹皮湯」「潤腸湯」「麻子仁丸」「桃核承気湯」などのほか、「防風通聖散」といった漢方薬も便秘に使うことがあります。


ただ、便秘の漢方薬選びで難しいのが、効能に「便秘」と書いてあれば「どんな便秘にも効果があるか?」というと、決してそうではないということです。 「自分の便秘にはどの漢方薬が良いのか?」を選ぶのはなかなか難しいと思います。漢方の専門家にきちんと相談すると良いですが、自分自身で「自分が、なぜ便秘をしたのか」を考えることが大切です。このポイントを無視して薬を選ぶと、「便秘」の効能がある漢方薬でも効き目がまったく変わってきます。効かないだけならまだしも、思わぬ副作用が出ることもあるので注意しましょう。


便秘の原因を、大きく分けると以下の4つ。
・食べている食事の量や質に問題がある「食事性便秘」
・便意の抑制や下剤、浣腸の乱用などが原因の「習慣性便秘」
・腹筋の衰えなどで、押し出す力が弱くて出ない「弛緩性便秘」
・ストレスや自律神経の不調で起こる「けいれん性便秘」


おおざっぱに分けても、上記のように異なります。自分にあった漢方薬を使用するためにも、「なぜ自分が便秘なのか?」をしっかりと考えてみましょう。



(早川 弘太・医薬品登録販売者)

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