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最近、テレビや新聞で報道される事件背景として、「インターネット依存症」という言葉を目にする機会が増えています。私たちの日常でも、携帯電話やパソコンの活用は切っても切り離せなくなり、今やコミュニケーションの手段としても、便利なツールとしても利用されています。
では、依存かどうか、病的かそうでないか、何をもって判断するのでしょう。ネット依存とされるのは、ネットの使いすぎで健康や暮らしに影響が出る状態です。悪化すると食事を取らなくなり、栄養失調になることもあります。ネット依存の疑いが強いほど、睡眠時間が短くなることも判明しましたが、現在は病気とは認められていません。
厚生労働省研究班(代表・大井田隆日大教授)の調査で、「インターネット依存症」の中高校生が、全国で推計51万8千人にのぼると判明しました。多くの若者がパソコンやスマートフォンなどで情報交換やゲームに没頭し、日常生活や健康に影響が出ています。
「病的な使用」とされた中高生のうち「睡眠時間6時間未満」と答えたのは43.0%。調査時点の直近1か月の午前中の体調が「常に悪かった」「しばしば悪かった」と回答したのも24.0%に上り、いずれもネットに依存していない人と比べて割合が1.6〜2.7倍という結果が出ました。
体調の変化だけでなく、他者との交流に関してもネット依存による影響が見られます。目の前の人と温かく自然な交流をすれば、人間本来の感情や想像力、柔軟な思考が得られます。逆に、自然で人間らしい交流が減ったり断絶したりすると、「感じる、考える」といった脳機能が働きにくくなるとも言われています。
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さらには、不登校、ひきこもり、ニート、就労困難といった日本の現在の社会課題から見ると、人との直接的な関わりはますます減少していきます。インターネットを利用することで、やっと誰かと交流できるといった環境の人も増えていきます。これは、経済発展を遂げた国の特徴の一つとしても挙げられます。
お金だけではなく、「人とのつながり」を回復していく社会が、私たちの人間らしさを取り戻すことになるのです。インターネットに依存して他者との交流を拒否するのではなく、現実に目を向け、「こんにちは」「いただきます」といった基本的な挨拶から意識してみましょう。
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