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「やらなければならないことに対して、全くやる気が起こらない」「関心が持てない」「目標を設定することができない」「感動したりワクワクしたりする気持ちがわかない」。このような無気力状態に陥ったことはありませんか?
このような状態が一時的に起こることは誰にでもあることです、仕事で結果が出なかったり、失恋をしたり、自分なりに努力をした結果が自分の求める結果と違っていたりしたとき、多くの人は目標を喪失して無気力の状態に陥ります。また、大学合格などを目指してがむしゃらに受験勉強をして、目的を達成したことで燃え尽きてしまい、次の目標が見つけられず無気力になってしまうこともあります。
無気力状態は、心の正常な反応ともいえるもので「欲求が満たされない」、また「欲求を満たすための目標を喪失してしまう」というストレスから、自分の心を守ろうとする反応なのです。
ほとんどの場合、無気力状態は時間の経過や状況の変化に伴って解消されます。しかし、この状態が長く続き慢性化した状態を「無気力症候群(アパシー・シンドローム)」と言い、価値観や生活様式が多様化した現代社会において、この無気力症候群で悩んでいる人は想像以上に多いのです。
無気力はうつ病の症状の一つとして知られていますが、無気力症候群はうつ病とは異なるものです。無気力症候群には、うつ病の代表的症状である不眠や気分の落ち込み、焦燥感といった症状は見られません、また、やるべき事柄以外の興味のある分野であれば意欲的に取り組めるケースもあり、周りから見ても本人が無気力状態で悩んでいることに気付けないことが多いのです。本人もそれが「治療を要する状態である」といった自覚に乏しいので、そのまま放置してしまいがちです。しかし、この状態が長く続けば、うつ病などの心の病気に進んでしまう可能性もあります。
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極端な言い方かもしれませんが、「親や教師に言われるままに志望校を決め、言われるままに受験勉強を頑張ってきた人」、「上司の叱咤激励に応えるためにがむしゃらに仕事をこなし、管理職に昇進して指示をもらう相手がいなくなると途端に何をすればよいかわからなくなる」など、自分の意思で目標を設定することに慣れないまま成長した人に多く見られます。一般的に、真面目で素直な性格と見られる人が陥りやすい傾向にありますが、このような性格は決して悪いものではありません。しかし、無気力症候群に陥らないためには自分で考えて目標を見つけ、目標を達成するための方法を自分で選択する心のたくましさを育てることが必要です。
性格を変えて行くことは、決して簡単なことではありませんが不可能なことでもありません。一つの目標を達成した先に、次の目標設定をするなど、自分自身が「現在の自分の性格を理解し、変わろうとする気持ちを持つこと」、また、可能であればカウンセリングを受けるなど、自分を客観的に見ることを学ぶのも有効です。
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