日本人は不倫好き?火遊びの代償

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2014年04月15日 10:10  JIJICO

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不倫専門SNSの日本での登録者数の増加が世界最速ペース


不倫専門の出会い系サイトの日本での登録者数の増加が、世界最速ペースにあるそうです。公然と不倫目的を謳うSNSがあることにも驚きますが、実際にサイトを訪れてみると、確かに、そうした内容の記載があり、かなり刺激的で扇動的ともいえるようなキャッチコピーも目に飛び込んできます。


会員登録は無料ながら、相手にメッセージを送るにはサイトからポイントを購入するというシステムです。会員の大半が既婚者と謳うことにより、一般的な出会い系サイトとの差別化を図っているのかもしれません。


不貞行為を行った既婚者は、配偶者に慰謝料支払義務が生じる


既婚者の異性同士がネット上で知り合い、友だちになること自体は、もちろん何ら法に触れるものではありません。しかし、二人の関係が、いわゆる不倫関係にまで発展すると話は別です。こうしたサイトを利用する人は、不倫の法的リスクを十分頭に入れておく必要があるでしょう。


法的に違法な行為だとされる不倫とは、「不貞行為」すなわち男女間の性行為のことを言います。現在の法律には、既婚者の貞操義務そのものを定める規定はありませんが、民法では、配偶者の不貞行為が離婚原因にあたるとされていて(法770条)、裁判例でも、不貞行為を行った既婚者は、配偶者(夫や妻)に対して慰謝料支払義務が生じるものとされています。


既婚者と不倫をすれば、相手の夫や妻から慰謝料請求される立場に


また、こうした夫や妻への慰謝料の支払い義務は、不貞行為を行った既婚者だけでなく、その相手方にも発生します。最高裁判所も、夫婦の一方の配偶者と肉体関係を持った者は、そのことに故意・過失があれば、その経緯や理由を問わず、相手の配偶者の精神的苦痛を慰謝する義務がある、と明確に判示しています。


つまり、既婚者と不倫をすれば、相手が既婚者だと知りようがなかった場合を除き、不倫相手の夫や妻から慰謝料を請求される立場になるわけです。ただし、相手の夫婦関係が既に破綻していた場合には、不貞行為を行っても違法にはならないとされています。


不倫慰謝料の相場は、数十万円〜500万円の事例が大半


不貞行為による慰謝料というのは、どのぐらいの金額になるでしょうか。法律で慰謝料の金額が一律に決まっているわけではありません。実際の慰謝料額がいくらになるかは、既婚者側の婚姻期間の長さ、既婚者に子どもがいるかどうか、不貞に至った経緯、不貞関係にあった期間の長さや回数など、様々な事情を考慮して判断されることになりますが、一般には、数十万円〜500万円の事例が大半です。特に、不倫により既婚者が離婚に至った場合には、慰謝料が増額される傾向にあります。不倫の代償は決して小さくありません。


不倫の証拠としては、興信所による調査や、電子メールのやりとりの内容などですが、裁判例の中には、必ずしも性行為を行っていない場合でも不倫の慰謝料を認めたものがあることには注意が必要です。



(永野 海・弁護士)

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