ブロガーの力で観光促進。期待と課題

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2014年04月25日 17:10  JIJICO

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ブロガーの視点で書かれた個性的な情報発信力に期待


ブロガー(ブログを書く人)の発信力を活かした観光スポット誘客の企画が増え、京都・滋賀でも広がっています。観光スポットにブロガーを無料招待し、記事を書いてもらい口コミ拡散を誘発する企画で、「ブロガーツアー」とも言われています。なかには海外へのブロガーツアー無料招待や海外からの無料招待も開催されているようです。今後、国内の観光地でも増えていくことが予想されます。


モノや情報が溢れる中、パーソナライズされた商品・サービスが求められるようになりました。雑誌や観光サイトで得られる公式情報だけでは満足しない消費者に応えるため、観光行政や観光施設の運営者は、ブロガーの視点で書かれた個性的な情報発信力に期待を持っているのでしょう。


新たな魅力発見と提案にはリスクも伴う


期待がある一方でリスクも見えてきます。ブロガーに期待するのは雑誌やマスメディアで紹介されている内容ではなく、新たな魅力の発見と提案。それは観光ルートを外れた穴場、隠れ家的スポットへの想定外の誘いである可能性もあります。受入体制の整っていない場所への誘客は、貴重な観光資源をダメにしてしまいかねません。


書かれる内容をコントロールすることもできますが、それはステルスマーケティングととらえられないか心配です。ステルスマーケティングとは、消費者に宣伝だと気付かれないように口コミ拡散を起こそうとする宣伝手法。その企画がステルスマーケティングととられた場合、記事を書いたブロガーの名誉にも関わります。影響力のある有名ブロガーであればステルスマーケティングの匂いのある企画は避けようとするでしょう。


リスクを乗り越えるカギは、ブロガーとの関わり方に


イギリスやアメリカでは既に法整備もされていますが、日本ではステルスマーケティングのはっきりした定義がありません。しかし、「無料招待の企画で書いてます」という内容が記事に書かれてあり、利益供与の事実を隠す意図がなければ問題はないでしょう。


以上のようにリスクはありますが、それを理解した上でブロガーの発信力を活用することは、観光振興に多くの期待を持てます。良い記事を書いてくれるブロガーとの関わりを日頃から大切できるかが今後の課題といえるでしょう。



(畑本 伸一・マーケティングコンサルタント)

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