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厳しい経営環境の中で、外部環境に合わせて自らを変化させていける会社がある一方で、変化することができずにジリ貧に陥っていく会社もあります。変化していくことができる会社と、そうでない会社では、何が違うのでしょうか。さまざまな要素がありますが、どれだけ多様性を受容しているかによって、変化できるか変化できないかが違ってきます。多様性を受容している会社の方が、変化する可能性が高いのです。
多様性を受容するのは、口で言うほど簡単なことではありません。なぜなら、価値観の違いが表面化すると、組織内で「対立」が起こってしまうからです。しかし、対立を恐れていては、本当の変化を起こすことはできません。組織の変革は、価値観の対立を乗り越えた後の「調和」からもたらされるからです。
価値観の対立をもたらす者、つまり社内の常識や慣習、固定観念に異を唱える者は、社内では「異端児」のように扱われることがあります。大切なことは、組織のリーダーが、その異端児が単なる自分勝手な価値観で発言しているのか、あるいは組織のために発言しているのかを、冷静に判断することです。
しかし、この判断も難しい。なぜなら、異端児の発する意見は、組織のリーダーにとっては過去の自分の意思決定を否定することであるケースが多いからです。多くのリーダーは、自分の過去の意思決定を否定されると、感情的にその発言を拒否します。それは人間として仕方のないことですが、そのようなリーダーの下では、組織が変わっていくことは容易ではないでしょう。
その一方で、組織に変革をもたらすことができるリーダーは、自分の非を認める勇気を持っています。組織にメリットがあるならば、自分の至らなさを素直に認めることができるリーダーが、組織に変革をもたらすことができます。つまり、異端児を活かすも殺すも、リーダーの器次第なのです。
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異端児を受容できるリーダーの下では、そのメンバーは自由に発言することができます。そのような企業風土が斬新な商品やサービス、あるいは今までにない組織運営の方法を生み出し、組織に変革をもたらしていきます。組織のためには対立も辞さない異端児が存在することができる企業文化が、変化に対応できる強い組織を作るのです。
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