「ペット同伴出勤可」企業が狙う効果

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2014年05月02日 10:10  JIJICO

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「アニマルセラピー」の効果に企業も目をつけた


今や誰でも聞いたことのある言葉になった「アニマルセラピー」。「医療現場における治療効果促進」「癒しの時間提供」「介護施設でのエンターテインメント」などの多分野において、「アニマルセラピー」として動物たちがあちこちで活躍しています。


最近は、その効果に目をつけて、企業も積極的に動物たちの活用に乗り出しています。従業員出勤時に、ペットとの同伴出勤を許可する試みが企業間で広がっています。「やり過ぎではないか」との声もある反面、やはり飼い主側にしてみれば、ありがたく嬉しいでしょう。


ただでさえ、残業の多い現代社会。残業手当を出す余裕のない中小企業ほど、従業員に残業を強いなければならないのが現状です。しかし、そんな厳しい状況下においても、ペットと一緒に出勤ができていれば、自宅に犬を留守番させている時と違い、心置きなく仕事をやり終えてから帰宅することができるでしょう。休憩時には愛犬を連れて10分間だけでも散歩にでも行ければ、外の空気を吸いながら良い気分転換となるはずです。また、上司の愚痴を言いたい時にはペットにささやいてみると、動物は首を傾げながら、いかにも真剣に話を聞いているような顔をしてくれることでしょう。時には流した悔し涙を舐めてくれるかもしれません。そうすることで悲しみや怒りは静まり、メンタルの調整にも一役買ってくれることと思います。


さらに、「ペットとの同伴出勤可」と求人広告に書かれていたら、どのような印象を与えられるでしょうか。「先進的な考えをする企業」「動物に優しい」「社員の心のケアができそうな会社」などと、極端に動物を嫌う人間でなければ、良い印象を抱くことでしょう。「○○会社はペットと一緒に出勤していいんだって!」とウワサがあっという間に広がり、広告を出すよりも効率的に会社の名前が認知されていくかもしれません。


動物たちの存在は、従業員同士の連帯感を生む社会性効果も


もちろん、良いことばかりではありません。相手は動物です。排泄問題などが出てくるのは否めません。しかし、それも逆手に取れば、人間同士の会話やチームワークを促進してくれる要因にもなるでしょう。今の時代、スマートフォンなどでのコミュニケーションは頻繁であるにしても、面と向かって対話するという機会が減っていると指摘されています。そんな中、「愛犬の心配事や相談、もしくは自慢話」により従業員同士の話が弾むのは、企業にとっても良いことです。また、「お互いさま」精神が発揮され、「皆で育てる犬社会」によって、チームワーク能力が発達するかもしれません。つまり、動物を飼っているということで共通点ができ、会話がしやすくなり、連帯感が生まれるという社会性効果もあるわけです。


企業が、動物介入することによるセラピー効果に着目するのも全く不思議ではありません。なぜなら、動物には人間にはない「力」があるからです。それは、悩みを溜め込ませることなく、人間同士のコミュニケーションを円滑に進めていってくれる「力」。企業は、その「力」を使わない手はないはずです。アニマルセラピーを利用する企業では、従業員へ及ぼす良い影響を日常的に見ることができるでしょう。そして、「自分たちは会社から大切に思われている」という従業員の自信が、その企業を大きく発展させる原動力になると思います。



(橘 和子・ドッグトレーナー)

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