糖質制限ダイエットの意外な落とし穴

3

2014年05月04日 13:10  JIJICO

  • 限定公開( 3 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

JIJICO

写真
糖質を制限すると脂肪が蓄積しにくくなり、やせやすく


最近、糖質を極端に減らすことによってダイエットをする「糖質制限ダイエット」が広く知られ、実際に行われるようになっています。しかし、本当に健康的にダイエットできるのでしょうか?


例えば「糖質を一食20g以下程度に抑えて、これさえ守ればそれ以外のものは何を食べてもいい」というものです。食事をしたあと、血液中の過剰なブドウ糖は、インシュリンの働きによって血管から外の細胞に取り込まれ、脂肪に置き換わって蓄積されます。「糖質制限ダイエット」のように、糖質を減らすことによって血糖値の急激な上昇が起こりにくくなり、インシュリンの分泌が抑えられます。その結果として、糖質を制限すると脂肪が蓄積しにくくなるわけです。


また、糖質を少なくする代わりにたんぱく質などをたくさん食べると、満腹感が早く感じられたり、エネルギー消費が多くなって、基礎代謝が増えたりすることがわかっています。以上のような理由からやせやすくなるのです。


しかし、高たんぱく、高脂質の食事が体に悪影響を及ぼす恐れも


では、糖質を減らした分、たんぱく質や脂質をたくさん摂ることになりますが、問題はないのでしょうか?


まず、たんぱく質は体の筋肉などを作るのには必須ですが、これらを過剰に摂ると、腎臓の機能が落ちている人では、腎臓に負担がかかります。腎臓が悪い人の食事では、一般的にたんぱく質制限を行うことが多いです。また、脂質を多く摂るのはどうでしょう。脂質には、健康に良いものと悪いものがあります。例えば、マーガリンに多く使われているようなトランス脂肪酸の過剰摂取は、動脈硬化などが進みやすくなると言われており、欧米では一日の摂取量を厳重に規制している国もあります。


このように、糖質制限をする代わりに、高たんぱく、高脂質の食事をすることによる悪影響も、十分起こりうることを知ることが大切です。「糖質制限ダイエットが万能ではない」ということを、しっかりと理解した上で行うことをお勧めします。



(久保 清景・医学博士)

    前日のランキングへ

    ニュース設定