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飲食業界の人材不足が深刻化しています。景気の回復に併せて完全失業率は3.6%で推移し、現状では労働者にとっての雇用環境は改善されつつあると言えます。しかし一方では、団塊世代が65歳以上の年齢に突入するため、2010年に8000万人いた15歳〜64歳の生産年齢人口が毎年大幅に減少。2030年には6700万人まで落ち込むと予想されています。
このように、実質的な生産年齢人口の減少が人材不足と言われる原因の一つではありますが、これまで飲食業界を支えてきた「若者の業界離れ」がもう一つの重要な理由と考えられます。
従来、飲食店は10代〜30代を中心とした若いスタッフを中心に構成されていましたが、ここ数年は飲食店よりも労働環境が良く、体力的にも楽な業界へと若年者が進む傾向にあります。
飲食業界が避けられる理由として、若者から見た飲食業の労働環境に対するイメージの悪化が考えられます。例えば、毎年実施されている大学生を対象とした「就職したくない企業ランキング」では、外食産業の大手チェーン店が上位を占めており、若者の飲食業界離れが顕著に現れています。
◆飲食業界に就職したくない理由(例)
・土・日曜、祝日、GW、年末年始などに休めない
・シフトが不規則で労働時間が長い
・客のクレーム対応がイヤ
・給与が安い、サービス残業が多い
・髪型やピアス、ネイルなど外見にうるさい
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上記のようなマイナスイメージの定着と、若者の労働環境や労働条件への考え方に変化が生じたことが「飲食業界離れ」の大きな理由であると考えられます。
飲食業界に限らず、今後は国内の人材不足に拍車がかかると予想されるため、すでに大手外食産業を中心とした人材の抱え込みが始まっています。「パート・アルバイトの正社員化」や、「地域限定正社員制度創設」などが雇用対策として推し進められており、労働者のニーズに合わせた雇用形態を設けることにより若い世代の人材を確保しようとしています。
そのほかにも、外国人雇用や高齢者活用も対策として考えられますが、一番の対策ポイントは、人材の定着率を高めることです。短期間で離職しない組織体制を築くことができれば、人材不足のリスクを負うことも、採用に係わる労力も少なくなります。
スタッフの定着率を高め、人材不足を解消するには、これまで不透明だった労働環境を改善し、働きやすい職場づくりを推進することや、経営理念・経営ビジョンをスタッフと共有することが必要といえるでしょう。
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