転職先で愛されるための心得

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2014年06月10日 15:10  JIJICO

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転職を人生の節目と捉え「終焉・中立圏・開始」の3段階に分ける


多くの人にとって、転職先で最初に気になるのは「自分がそこで馴染めるか」という問題だと思います。「実際に仕事をしてみないとわからない」ということで、当たりはずれの「くじ引き」のようにも感じますよね。しかし、実は「転職する際に自分の中で整理すべきこと」にきちんと向き合った人は、「転職先でも必要とされる人間」となり、「愛される存在」に成長します。ここで、転職を「くじ引き」にしないための心得についてお話します。


米国の人材系コンサルタント、ウィリアム・ブリッジズ氏が提唱している理論に「トランジション理論」があります。これは、転職を人生の節目(トランジション)と捉え、その節目におきる「終焉・中立圏・開始」の3段階の気持ちにきちんと向き合うことで、「転職先での不安感や抵抗感を払拭し、適切に対応していくことができる」としています。


転職は、「現在の会社を離れよう」と思い始めてから転職活動を行い、別の会社での採用が決まって、「新しい会社で働き出す」というのが一連の流れです。


この節目には、自己都合による退社、あるいは企業都合による異動、転勤、解雇などによって、慣れ親しんだ仕事・職場から無理やり離される場合もあります。後者のケースでは、自分が望まない変化であることも多いため、ひどく落ち込んだり、やる気を失う場合もあります(終焉)。


そして私たちは、何かの終わりにはさまざまな喪失感を味わいます。卒業式に感じるものと言えば「寂しさ」であり、それを耐える時期があります。それと同じように、職を変わるときには、深刻な「空虚感」が襲ってくることもあります(中立圏)。


「新たな始まり」はあいまいで、抽象的で、ときに他者との対話を通じて、「やりたいこと」が浮かんできたりします。そんなときは、準備不足でも良いので、気になっていることから始めてみると良いでしょう。行動を通じてやりたいことを確認していくことが大切です(開始)。


「柔軟な順応性のある心」で転職先から受け入れられる人間に


「落ち込みや、やる気の喪失→寂しさ・空虚感→未知への不安・決心」という一連の心模様を経験することは、今までのことに整理やけじめをつけて、これからの新しい転職先へ気持ちが進み、「そこでやっていく」という覚悟となっていきます。この覚悟が人生を再出発させる礎となり、無意味に過去の自分に固執することなく、前に進むことができます。


◆職業人として自分が果たす役割を、新しい転職先はどのように見ているか。
◆働く自分を人にどのように伝えたいか。
◆職業人生をどのように生きたいか。


このようなことが自分で意識できれば、「柔軟な順応性のある心になった」ということです。それが転職先からも「受け入れられること」に通じるのではないかと考えます。



(自念 真千子・産業カウンセラー)

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